東日本震災後10年。詩情あふれる思索の旅のエッセイ集
はじまれ、ふたたび
いのちの歌をめぐる旅
- 四六判
- 204頁
- 2200円+税
- ISBN 978-4-7877-2101-3
- 2021.05.31発行
- [ 在庫あり ]
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書評・紹介
紹介文
20世紀最後の年から2011年東日本大震災までの10年あまりの間、私は遠い旅を重ねました。そこにはつねに歌があり、語られることのない無数の記憶がありました。
——本書より
カザフスタンから韓国・済州島へ。サハリンからイリオモテへ。歴史の波に翻弄され、地上をさすらう民——朝鮮からの離散民や沖縄移民、炭鉱夫、ハンセン病者、北方の少数民族。著者は世界各地を旅し、人びとが生きのびるために伝える「いのち」の歌や物語を記録してきた。旅先で出会ったのは、歌や物語の中で語られる記憶、そして語られることのない「声にならない声」だった——。
「聞こえない声、見えない光、この世を去った魂たちが棲まう、心の奥の「空白」の風景」を訪ねる、11編の詩情あふれるエッセイ集。東日本震災の体験も含め、記憶だけでなく「記憶の空白」を見つめ、人間の生と死、再生への道を問う。
本書は、2011年に刊行した『はじまれ』の増補新版。あらたに、震災後10年をテーマにした書き下ろしの作品を収録して再リリース。
目次
増補新版まえがき——あなたに贈るはじまりの歌
i はじまれ
英雄ナージャ
旅するパンドラ
彷徨いの絆
長夜の夢は獨覚
熊本、コリア、洗足池、キラウエア
取り返しのつかない話
私は行くよ
夢——縛めと赦し
真っ白な愛
生きる
はじまれ
ii はじまれ、ふたたび
不穏な神の声で