実話版「愛の不時着」!? ——北朝鮮の人々の素顔を綴った、涙と笑いのノンフィクション・エッセイ
北朝鮮に出勤します
開城工業団地で働いた一年間
- 四六判
- 200頁
- 2000円+税
- ISBN 978-4-7877-2400-7
- 2024.08.10発行
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書評・紹介
- 武田砂鉄氏評「今週の本棚・話題の本」(「毎日新聞」2024年8月24日)
- 「聯合ニュース」2024年8月21日配信
- 「週刊東洋経済」2024年9月21-28号
- 「日本経済新聞」2024年9月21日
- 「図書館教育ニュース」2024年10月8日号(1670号)付録
- 東えりか氏評「ミステリマガジン」2024年11月号
- 金承福氏評(共同通信配信、2024年10月〜)
- 「読売新聞」2024年10月15日夕刊
- 門間貴志氏評(「図書新聞」2024年11月2日号/3661号)
- 吉良佳奈江氏評(「週刊読書人」2024年11月8日号/3564号)
- 古賀詩穂子さん「激動の現代史を知る 書店員オススメの5冊」(朝日新聞「好書好日」2024年11月20日)
- 佐々木静代さん「KBOOKフェスを前に書店員が選ぶ5冊」(朝日新聞「ポッドキャスト 好書好日」2024年11月21日)
紹介文
毎週月曜の朝、ソウル市内でバスに乗り込み、軍事境界線を越えて北朝鮮に出勤。
平日は北の職員たちと“格闘”し、週末は韓国に戻る。
南北経済協力事業で北朝鮮に造成された開城(ケソン)工業団地。
20代の韓国人女性が開城で経験した特別な1年間と、北の人々のありのままの素顔を綴ったノンフィクション。
〈ソウルから一時間ほどの距離なのに——。
彼女たちの苦労は、私の祖母の世代の苦労と変わらないと思った。でも、彼女の年齢は二三歳だった。
生きていれば一〇〇歳を超えている祖母が二三歳だった頃の日常が、私の目の前にいる若い母親の日常だった。〉
〈北の人はほとんどの場合、一人だけでいるときは純朴そうに笑いながら頭を下げてあいさつし、二人以上になると目を伏せて無表情で通り過ぎる。それを知ってからは、傷つくこともなくなった。この体制の中で共和国の規定に背けば、南で想像できるような懲戒とは次元の異なる処罰が与えられるだろう。そんな状況に南の人も北の人も傷つくことのない日がきてほしい。誰がそばにいようと心から歓迎し、笑うこともできる自由が早くやってくることを願う。————本文より〉
装画・装幀:北田雄一郎
(書店発売開始日:2024年8月6日頃)
目次
日本の読者の皆様へ
はじめに
I 開城で感じた春
開城に足を踏み入れた日
北朝鮮歌謡、心に残る人
〝あのお方〟の顔が描かれたバッジ? 太極旗が描かれたバッジ?
マキシムコーヒーは韓国をのせて——開城への物品搬入
税関は黒いビニール袋を持って——サムギョプサルの上納
花束と参事官のおじさん、そして金正哲とエリック・クラプトン
給食施設の残飯と生ごみはどこへ?
一本のキンパから実感する南北の経済格差
三〇〇〇人分の食材、そして北朝鮮冷麵? いいえ、開城工業団地風冷麵!
II 開城で体験した夏
賃金戦争とカレイ事件
北の労働者はNG、平壌市民はOK
八月一五日、南は光復節、北は解放節
食事会の日は〝お持ち帰り〟が当たり前?
ヒャンイの妊娠と職員たちの〝総和〟
ヒョスクの大事なぶどう、一房は嫁ぎ先に、もう一房は実家に
一トントラックで休戦ラインを越え結婚式へ!
木箱地雷事件が開城工業団地の人々に及ぼす影響
III 開城で過ごした秋
統一の花、林秀卿
「ありがとう」と言うのはそんなに大変?
田舎者のような北の軍人、シティボーイのような南の軍人
宗教書の一節を理由に罰金一五〇ドル
北朝鮮女性たちの労働時間
USBと罰金二〇〇ドルで南北が一致団結
IV 開城で出会った冬
班長さん、みかんが必要なら先に言ってください
職員たちに渡したかったお餅、果物、そしてパン
免税店で働く北朝鮮女性
警備員さんと私
南北でキムチ交換
いまも思い出す北の職員、リ・スンヒ
一二月一一日、南北会談の日の冷泉サイダー
北のエリート女性、スヒ
一月六日の核実験、そして玄関前の北の配達員たち
開城に入るまで
おわりに
訳者あとがき