伝説の天才詩人、白石が筆を折るまでの七年間
韓国文学セレクション
七年の最後
- 四六判上製
- 240頁
- 2300円+税
- ISBN 978-4-7877-2321-5
- 2023.11.30発行
- [ 在庫あり ]
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書評・紹介
紹介文
書かないことで文学を生き抜いた詩人、白石(ペクソク)
北朝鮮で詩人としての道を断たれた白石の後半生を、現代韓国文学を代表する作家がよみがえらせた長篇作。
許筠文学作家賞受賞作
「あなた、もう死んだ人。
その冬の谷間であなたも凍りつき、あなたの歌も凍りついた。
でも、春に私はたしかに聞いた。あなたの歌を——」
望んだけれど叶わなかったこと、
最後の瞬間にどうしても選択できなかったこと、
夜な夜な思い出されることは、ことごとく物語になり小説になる。
「夜は昼のように、昼は夜のように。水は火のように、火は水のように。
悪が善になり、善は悪になる。
その廃墟を見つめること、それが詩人のすること——」
伝説の天才詩人、白石が筆を折るまでの七年間
「無表情でいられること、詩を書かないでいられること、何も話さないでいられること。
人に与えられた最も高次元的な能力は、何もしないでいられる力だった。
聞こえるがままに聞き、見えるがままに見て、そこに何かをつけ加えないでいられるとき、人は完全な自由を手にする。」
装幀:北田雄一郎
目次
一九五七年と一九五八年の間
創作不振の作家たちのための自白委員会
私たちがこの世の果てだと思っていたところ
無我に向かう公務旅行
七年の最後