生きる場からの哲学入門

「すべての人は哲学者である」

生きる場からの哲学入門

  • 大阪哲学学校/編
  • 平等 文博/編著
  • 花崎 皋平/著
  • 大越 愛子/著
  • 田畑 稔/著
  • 四六判
  • 344頁
  • 2200円+税
  • ISBN 978-4-7877-1911-9
  • 2019.08.31発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

「すべての人は哲学者である」

生活の場で地に足をつけ、そこにある問題と向き合い、深く広く考え抜くことで、よりよく生きる力を支える哲学の実践=「哲学すること」のために──。

哲学とは、哲学者の専有物ではなく、すべての人が自らの生活の場に根ざして、世界と自分を批判的吟味の俎上にのせる知的営みでなければならない。
「生きる場と哲学の結合」を謳い、在野の実践を続けてきた哲学学校によるユニークな哲学入門書。

花崎皋平、三浦隆宏、細谷実、大越愛子、河上睦子、久保下多美子、三上晋、松岡鉄久、義積弘幸、山口協、稲岡義朗、瀬尾良郎、百木漠、木村倫幸村山章、藤田隆正、田畑稔による17講義と、平等文博による序論を収録。

装幀:北田雄一郎

  • 立ち読み画像

目次

序論 生きる場からの哲学とは……平等文博

第I部 生きることと哲学すること
第一講 民衆思想とその方法について……花崎皋平
第二講 砂漠のなかのオアシス:沖仲仕の哲学者ホッファーに学ぶ、生きる場で哲学するためのルール……三浦隆宏
第三講 現代の仕事とアイデンティティ:対人的サービス労働のために……細谷 実
第四講 「子どもを産む」ことに関する事柄:自然から自由へ……大越愛子
第五講 「食の哲学」入門:フォイエルバッハを参考に「食と宗教」について考える……河上睦子

第II部 生きる場からの思索と哲学
第一講 生と死とおひとりさまを考える……久保下多美子
第二講 若き生活者たちに:学ぶことの意味について……三上 晋
第三講 新しい会社組織と幸福な生:幸せの吟味への一つのアプローチ……松岡鉄久
第四講 障がい者の生き方……義積弘幸
第五講 農から現在を見る……山口 協
第六講 存在しない仏に祈る:浄土仏教は生きているか……稲岡義朗
第七講 サラリーマン人生を終えた今、考えること……瀬尾良郎

第III部 生きる場と世界をつなぐための哲学再入門
第一講 全体主義とは何か:アーレント『全体主義の起原』を手がかりに……百木 漠
第二講 共有の廊下・中庭の哲学:プラグマティズム哲学入門……木村倫幸
第三講 抽象と具体の狭間から……村山 章
第四講 尊厳論エッセンス……藤田隆正
第五講 「生活の吟味」としての哲学:『ソクラテスの弁明』を読む……田畑 稔

著者紹介

大阪哲学学校(オオサカテツガクガッコウ)

「生活現場と哲学の結合」を掲げて1986年5月に開校した哲学の文化運動体。
対話を通して「哲学する文化」を市民の生活の場に根づかせることを目指し、思想的立場の多様性を前提にしたオープンな催しをほぼ隔週土曜日に開催している。
これまでに、マルクス、ヘーゲル、カント、スピノザ、ハンナ・アーレントなどをテーマとした〈知の歴史〉入門講座、大阪懐徳堂の思想家たちや安藤昌益らを取り上げた日本思想史講座、平和の哲学や資本主義の今、ニッポン・イデオロギーや若者の現在など、トピカルな問題を哲学・思想の面から掘り下げた連続講座やシンポジウムを主催。また、天皇制、企業モラル、日本の保守などを哲学する共同研究を呼びかけ、成果を出版している。
大阪唯物論研究会哲学部会を設立母体としており、母体を同じくする季報『唯物論研究』刊行会とは協働の関係にある。
ウェブサイト:https://oisp.jimdo.com

平等 文博(ビョウドウ・フミヒロ)

大阪哲学学校代表世話人、大阪経済大学教員、倫理学

花崎 皋平(ハナザキ・コウヘイ)

哲学者、ピープルズ・プラン研究所アドバイザー

大越 愛子(オオゴシ・アイコ)

近畿大学元教員、哲学・女性学

田畑 稔(タバタ・ミノル)

1942年大阪市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程哲学哲学史専攻単位取得退学。富山大学教養部助教授(哲学担当)、広島経済大学経済学部教授(倫理学担当)、大阪経済大学人間科学部教授(哲学、人間論担当)などを経て、季報『唯物論研究』編集長、大阪哲学学校世話人。主な著書に、『マルクスとアソシエーション』(新泉社、1994年、増補新版2015年)、『マルクスと哲学』(新泉社、2004年)、『人間科学の新展開』(共編著、ミネルヴァ書房、2004年)、『アソシエーション革命へ』(共編著、社会評論社、2003年)、『マルクス・カテゴリー事典』(共編著、青木書店、1998年)、『21世紀入門』(共著、青木書店、1999年)、『証言・唯物論研究会事件と天皇制』(共著、新泉社、1989年)、『企業モラルを哲学する』(共著、三一書房、1988年)など。

関連書籍

  • 唯物論哲学入門 〔改訂新装版〕
  • 目の眩んだ者たちの国家FTP
  • 日本人と〈戦後〉FTP
  • 鶴見俊輔ノススメFTP