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メディア2023.08.29

『なぜ公害は続くのか』の書評が「図書新聞」に掲載されました

シリーズ 環境社会学講座 1『なぜ公害は続くのか——潜在・散在・長期化する被害』(藤川賢・友澤悠季編)の書評が、「図書新聞」2023年9月2日号(第3605号、8/26発売)に掲載されました。

◎森下直紀氏評

〈加害—被害関係が明確になった公害事件においても、被害の不可視化と加害責任の不徹底が継続している。本書は、こうした日本の現状から、改めて公害を問い直すものである。〉

〈加害—被害が明確になっているはずの公害事件においても、加害の責任は必ずしも適切に遇されておらず、また、渡良瀬川流域、水俣病、マーシャル諸島など、自然環境を再生し環境的公正を取り戻す作業も不十分な水準にとどまっている。〉

〈行政や政策立案者は、過去に学び未来社会をより良いものにするために、本書の随所にある教訓を学び取っていただきたい。〉

〈未来を切り開くのは、過去を忘却することではなく、過去の失敗から現在の社会問題を認識し、その構造的問題を解消するための行動にある。本書の知見がこれに貢献することを期待したい。〉