公害を生み続ける社会をどう変えていくか
シリーズ 環境社会学講座 1
なぜ公害は続くのか
潜在・散在・長期化する被害
- 四六判
- 320頁
- 2500円+税
- ISBN 978-4-7877-2301-7
- 2023.04.10発行
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書評・紹介
- 山田貴己氏「繰り返される論理と手法」(「長崎新聞」2023年5月13日)
- 「公害の歴史から教訓考える」(「岩手日報」2023年5月27日)
- 川尻剛士氏「不可視化された被害と加害——「公害を生み続ける社会」を問う」(「週刊読書人」2023年7月7日号)
- 落合恵子氏選書「Other Voices に出会う本 Woman’s EYE」(「クレヨンハウス通信」2023年8月号(511号))
- 関礼子氏「2023年上半期読書アンケート」(「図書新聞」2023年7月29日号(3601号))
- 塚原東吾氏「2023年上半期の収穫から」(「週刊読書人」2023年7月28日号(3499号))
- 戸田清氏「2023年上半期の収穫から」(「週刊読書人」2023年7月28日号(3499号))
- 林美帆氏(開発教育協会「DEAR News」213号、2023年8月)
- 森下直紀氏「公害を通して、日本社会を描く」(「図書新聞」2023年9月2日号(3605号))
- 「日本農業新聞」2023年9月17日
- 髙橋若菜氏評(「PRIME」47号、明治学院大学国際平和研究所、2024年3月)
- 福島大学 入試問題(2024年度一般選抜(後期)行政政策学類 小論文)
- 喜多川進氏評(「生活経済政策」329号、2024年6月)
紹介文
公害は「過去」のものではない。
問題を引き起こす構造は社会に根深く横たわり、差別と無関心が被害を見えなくしている。
公害の歴史と経験に学び、被害の声に耳を澄まし、犠牲の偏在が進む現代の課題を考える。
公害を生み続ける社会をどう変えていくか——。
〈公害の歴史が教えるのは、見えていたはずのものが不可視化されていく過程である。その背後には、環境侵害の影響を背負わされるのが社会的に弱い立場の人びとに偏るという、公害の最初期から続く社会構造もある。
公害の「解決」を強調する動きが、実は公害発生の経緯を引きずるものであり、現在の環境問題にも影響を与えているのであれば、不可視化の仕組みに注意し、それに対抗する方法を考える必要がある。——編者〉
【執筆者】関 礼子/宇田和子/金沢謙太郎/竹峰誠一郎/原口弥生/土屋雄一郎/野澤淳史/清水万由子/寺田良一/堀畑まなみ/堀田恭子/林 美帆
ブックデザイン:藤田美咲
目次
序章 公害はなぜ続くのか——不可視化される被害と加害……藤川 賢・友澤悠季
I 公害とは何か——被害拡大の構図と教訓
第1章 足尾銅山鉱煙毒事件にみる公害の原型……友澤悠季
第2章 自然と生活を軽視する論理に抗う——新潟水俣病にみる公害被害の現在……関 礼子
第3章 公害対策の進展後における地域環境汚染——日米の産業廃棄物問題と草の根環境運動……藤川 賢
コラムA 複合公害としてのアスベスト問題……堀畑まなみ
II 環境的不公正の潜在と拡大——長期化・グローバル化する被害
第4章 食品公害問題の長期化——なぜカネミ油症被害者は被害を訴え続けなければならないのか……宇田和子
第5章 熱帯材と日本人——足下に熱帯雨林を踏み続けて……金沢謙太郎
第6章 重層化する核被害のなかで——マーシャル諸島発「核の正義」を求めて……竹峰誠一郎
第7章 環境正義運動は何を問いかけ、何を変えてきたのか……原口弥生
コラムB 新しい環境リスク——環境過敏症という名の「公害」……堀田恭子
III 公害は終わっていない——新たな課題と経験の継承
第8章 NIMBYと「公共性」——産業廃棄物処理施設をめぐる公共関与と合意形成……土屋雄一郎
第9章 水俣病にとっての六五歳問題——「先天性(胎児性)という問い」から……野澤淳史
第10章 「記憶」の時代における公害経験継承と歴史実践……清水万由子
第11章 環境リスク社会における公正と連携への道……寺田良一
コラムC 公害地域再生が目指すもの……林 美帆
終章 不可視化に抗うために——公害を生み続ける社会をどう変えていくか……藤川 賢・友澤悠季
出版社からのコメント
「シリーズ 環境社会学講座」全6巻、2023年4月刊行開始!
詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.shinsensha.com/news/5554/