メディア2022.10.14
『さすらう地』の書評が「週刊読書人」に掲載されました
韓国文学セレクション『さすらう地』(キム・スム作、岡裕美訳、姜信子解説)の書評が、「週刊読書人」2022年10月14日号に掲載されました。
評者は尾西康充氏(三重大学教授)です。
〈彼女の小説は、沈黙や何気ない身振りのなかに、《語ろうとして語りえないもの》を見出し、《声にならざる声》に対して耳を傾けようとする作者の真摯な姿勢が貫かれている。〉
〈スターリンは、少数民族を保護するというレーニンの約束を反故にしたうえで、パルチザンとして活躍した朝鮮人革命家や共産党員を「日本のスパイ、反逆者、反動分子、変節者」だと決めつけ、流刑にして銃殺に処した〉
〈流浪の民が悲劇的に描かれるだけでなく、この小説は旧い因習にとらわれている民族の姿を批判的にもとらえている。……リアリズムに徹する作者の眼が遺憾なく発揮された描写である。〉
◎キム・スム『さすらう地』(岡裕美訳、姜信子解説)書籍詳細ページ
https://www.shinsensha.com/books/4875/
◎「週刊読書人」10/14号掲載、キム・スム『さすらう地』(岡裕美訳、姜信子解説)書評
評者:尾西康充氏(三重大学教授)〈彼女の小説は、沈黙や何気ない身振りのなかに、《語ろうとして語りえないもの》を見出し、《声にならざる声》に対して耳を傾けようとする作者の真摯な姿勢が貫かれている。〉 pic.twitter.com/nkLwf1JfLc
— 新泉社「韓国文学セレクション」 (@kbook_shinsen) October 14, 2022