『目の眩んだ者たちの国家』の書評が「世界」に掲載されました(藤沢周氏評)
「世界」2021年9月号(岩波書店)「読書の要諦」で、「内なる言葉の力」と題し、小説家の藤沢周さんに『目の眩んだ者たちの国家』(キム・エラン、パク・ミンギュ、ファン・ジョンウンほか著、矢島暁子訳)をご紹介いただきました。
〈韓国を代表する作家、詩人、学者たちが、あの悲劇について真摯な思索と祈りと魂の言葉で綴った書である。その身も心も震えるほどの言葉に触れれば触れるほど、これは韓国だけの問題ではない、現在の日本そのものだと思うのである。〉
〈悲劇を通して語られるのは、国家と政治と人間と言葉についてである。文学という人間の内なる言葉にさえ、政治は侵蝕してこようとするが、韓国の作家たちの言葉は死者に寄り添いながら静かに人間の尊厳を語り、権力を押し返す。今、最も共有すべき想いに満ちた書だ。〉
「国家が国民を救助しなかった『事件』なのだ」
セウォル号の悲劇への作家パク・ミンギュの言葉は、現代日本の惨状に向けてのものでもある。「世界」(9月号・岩波書店)で、『目の眩んだ者たちの国家』他を紹介。
「傾いた船で生涯を過ごしてきた人間にとって、この傾きは安定したものだった」
然り。 pic.twitter.com/eQwFWB9uYp— 藤沢周 (@Shu_Fujisawa) August 13, 2021
「世界」9月号(岩波書店)で、小説家の藤沢周さんに『目の眩んだ者たちの国家』をご紹介いただきました。
〈……真摯な思索と祈りと魂の言葉で綴った書である。その身も心も震えるほどの言葉に触れれば触れるほど、これは韓国だけの問題ではない、現在の日本そのものだと思うのである。〉 https://t.co/UXT7Q2DQ1D
— 新泉社「韓国文学セレクション」 (@kbook_shinsen) August 16, 2021