古代エジプト人の祈り
近刊

日々の信仰の実態をまとめた初の書

古代エジプト人の祈り

信仰のエジプト学

  • 和田 浩一郎/著
  • A5判
  • 252頁
  • 2800円+税
  • ISBN 978-4-7877-2501-1
  • 2025.04.10発行
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紹介文

エジプトの遺跡といえば、石造の巨大な神殿やピラミッド、鮮やかな壁画で彩られた墓がまず思い浮かぶ。ただし、壮麗な建造物を建立したのは王やエリート層の人々である。権力者のためにひとつひとつの石材を運び、積み上げていった、農民をはじめとする庶民(非エリート層)はどのような信仰をもっていたのだろうか。本書はそこに切り込み、庶民までふくめた古代エジプト人の祈りがどのようなものだったのか、その実像に迫る。

目次

はじめに
エジプトの地理
古代エジプトの時代区分
第1章 祈りの対象──神と死者
1 神々
2 アク──祝福された魂
第2章 祈りの場──神殿
1 神殿とは
2 神官と神殿組織
3 神殿での日々の儀式
4 庶民と神殿
5 仲介者の像
第3章 神と人びとの交流──祝祭と聖地
1 祝祭と神託
2 アビドスの聖地と祝祭
第4章 墓と集落
1 墓
2 集落の祠堂
3 家の祭壇
第5章 奉納物
1 初期の奉納物
2 新王国時代以降の奉納物
3 ハトホル女神信仰と奉納
4 動物崇拝と動物墓地
第6章 呪術
1 まじないと呪術
2 自然の脅威と呪術
3 病気治癒
4 出産と呪術
5 家と家族の守り
6 年の疫病と呪術
7 古代エジプトの護符
8 呪詛

出版社からのコメント

ネコのミイラ、呪詛小像、「出産のレンガ」など、庶民の信仰を示すめずらしい写真を多数収録。

著者紹介

和田 浩一郎(ワダ・コウイチロウ)

1968年青森県生まれ
英国スウォンジー大学古典古代史・エジプト学部大学院修士課程、國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期修了 博士(歴史学)
国際文化財(株)、NPO法人文化遺産の世界所属、國學院大學文学部兼任講師、金沢大学古代文明・文化資源学研究所客員研究員、早稲田大学エジプト学研究所招聘研究員
アメンヘテプ3世王墓(ルクソール・王家の谷、1989〜1990年)、アブシール南遺跡(1990〜1993年)、ダハシュール北遺跡(1996〜2013年)、アコリス遺跡(2015年〜)などの発掘調査に従事。
おもな著作 『古代エジプトの埋葬習慣』(ポプラ新書、2014年)、『古代オリエント事典』(分担執筆、岩波書店、2004年)、『てのひら博物館 古代エジプト』(日本語版監修、東京美術、2015年)、『死者のひみつ 世界のミイラ』(日本語版監修、BL出版、2023年)ほか。

関連書籍

  • 古代オリエントガイドブック
  • インダス文明ガイドブック
  • アンデス文明ガイドブック
  • メソアメリカ文明ガイドブック