名古屋城・天守木造復元の落とし穴
新刊

復元にはさまざまな難問があることを解説した初めての書

名古屋城・天守木造復元の落とし穴

  • 毛利 和雄/著
  • 四六判
  • 344頁
  • 2500円+税
  • ISBN 978-4-7877-2306-2
  • 2024.07.01発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

江戸時代の城が蘇ったら素晴らしいかもしれない。しかし、そこにはさまざまな難問が。大地震や火災などに対する安全性は確保できるのか。誰もが入れるバリアフリーは実現できるのか。そもそも復元天守は〝本物〟なのか、文化財なのか。誰のための、何のための建築物なのか。

目次

はじめに

Ⅰ 名古屋城天守木造化のゆくえ

プロローグ 近世城郭の到達点、名古屋城
1 天守木造化計画はこうして始まった
2 名古屋城跡の本質的価値はどこにある?
3 木造天守の建築は許可されるのか?
4 奇襲作戦、現・天守を先行解体せよ⁉
5 石垣補修と基礎構造の見直し
6 誰のための天守木造化か
エピローグ 天守木造化かコンクリート天守の存続か

Ⅱ 各地の城郭復元・修復事情

プロローグ 観光立国と文化財保護
1 熊本城──熊本震災からの復興の象徴
2 首里城──沖縄県民のアイデンティティの象徴
3 姫路城──日本の世界遺産第一号
4 江戸城──江戸城天守は東京のランドマークか?
5 大阪城──耐震補強・長寿命化し登録文化財
6 安土城──「幻の安土城」復元プロジェクト
7 小田原城──木造化も視野に耐震補強
8 岡山城──観光振興と歴史展示の両立
9 福山城──お城をJR駅前の顔に
10 尾道城──景観形成で城郭風建築物を除却
11 広島城──国際平和文化都市の天守復興
12 大洲城──城泊の試み
13 高松城──悲願の木造天守の復元
14 丸亀城──「石垣の名城」で大規模崩落
15 仙台城──守るべきは石垣、櫓復元を断念
16 松江城──国宝天守の耐震補強
17 肥前名護屋城──崩れた石垣が語る歴史
エピローグ 歴史的建造物の復元とは

あとがき

出版社からのコメント

お城ブームですが、こうした側面もあることをぜひ知ってほしい。

著者紹介

毛利 和雄(モウリ・カズオ)

1948年生まれ。早稲田大学第一政治経済学部卒業。
元NHK解説主幹。文化財報道に長年携わる。
日本イコモス国内委員会会員、日本記者クラブ会員、文化財保存全国協議会会員。
〔著書〕『世界遺産と地域再生〈改訂版〉』新泉社、『高松塚古墳は守れるか─保存科学の挑戦─』(NHKブックス)、〔共著〕『文化財保存70年の歴史 明日への文化遺産』新泉社、『季刊考古学別冊 ジャーナリストが語る考古学』雄山閣出版、〔論文〕「考古学とマスメディア」『考古学研究60の論点』考古学研究会、「良好な景観の形成と観光力」『観光考古学』ニューサイエンス社、「歴史的港湾都市『鞆を救え』」『季刊まちづくり』学芸出版社ほか多数。

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