映画化決定の話題作。 『韓国が嫌いで』の作者が近未来の朝鮮半島をリアルに描く。
韓国文学セレクション
我らが願いは戦争
- 四六判上製
- 496頁
- 2500円+税
- ISBN 978-4-7877-2122-8
- 2021.08.31発行
- [ 在庫あり ]
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書評・紹介
紹介文
「北朝鮮の現政権が勝手に崩壊し、統一過渡政府が樹立する──。」
韓国で理想的に語られる筋書きが現実化した後の朝鮮半島を描いた近未来ディストピア小説。
北の社会の実情をリアルに描き、読者を一気に引き込む話題作。映画化も決定!
《我らが願いは…………統一》
北朝鮮の現政権が勝手に崩壊するという、韓国にとって理想的なシナリオが現実のものとなった朝鮮半島。しかしそこには、いまだ統一国家が成立してはいなかった。
一般人の南北間の往来は禁じられ、朝鮮半島北部は無能な「統一過渡政府」のもと、貧困と暴力が蔓延し、麻薬組織が暗躍する無法地帯となり果てていた。
つい何年か前まで、最も理想的と謳われていたシナリオ。それがいざ現実のものとなるや、餓鬼と修羅の跋扈する畜生道への扉が開かれたのだ。
〈複雑かつ長期にわたる問題を21世紀の眼で眺めてみよう。その試みとして誕生したのがこの小説です。20世紀の韓国で生まれ育った僕の受けた教育は、20世紀の眼で問題を眺めること、つまり「我らが願いは民族の統一」というものでした。
北とは韓国にとって、必ずやひとつにならなければならない同胞の住む国であると同時に、憎悪の対象、悪魔とみなすべき敵。その概念はどことなくおかしい。僕にはそう感じられます。
いまや何か新しい、21世紀的な見方が求められているときです。民族という概念ではなく普遍的な人権の価値に基づいて、どこの国の人であれ、北が引き起こす問題に力を合わせて対応できるようにしてくれるような、そんな…………。〉
————チャン・ガンミョン(「日本の読者の皆様へ」より)
装画 祖田雅弘
装幀 大倉真一郎
出版社からのコメント
映画「JSA」から20年。
南北が〈統一〉の理想に向けて動きだした近未来——。
「愛の不時着」の大ヒットで関心が高まる北の社会の実情、人々の心情をリアルに描いた話題作。