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メディア2025.03.28

『七年の最後』などキム・ヨンス作品がNHK「まいにちハングル講座」テキストで紹介されました(斎藤真理子氏評)

◎斎藤真理子さん「私の好きな韓国文学」
第24回「哀惜を描く作家キム・ヨンス」
(NHKラジオ「まいにちハングル講座」テキスト、2025年3月号)

詩人白石(ペクソク)の後半生を描いた、キム・ヨンスの長篇作『七年の最後』(橋本智保訳)を、斎藤真理子さんにご紹介いただきました。

〈白石は……南北分断の際に朝鮮民主主義人民共和国側に残った人です。彼の詩ごころは北朝鮮の文学理念とは全く相容れず、詩人として生きる道を徐々に断たれ、……後半生については資料も証言もありません。〉

〈この人の物語を完成させるには、自分との深い対話が必要になっただろうと思います。〉

〈あまりに厳しかったその時代に、詩人・白石はいったい何を大切にし、何をあきらめて生きたのか。それを考えることは、文学者としての自問自答につながります〉

そして、同じくキム・ヨンスの長篇作『夜は歌う』(橋本智保訳)も、紹介していただきました。

〈一人一人の理想がいかに圧迫され変形していくか、また、そんな悲劇を経験した後にもどのようにして人が生き延びていったかを物語にしています。〉

さらに、キム・ヨンスの短編集『ぼくは幽霊作家です』(橋本智保訳)も取り上げていただきました。

〈これは村上春樹の「鼠三部作」につながる? と思わされたりもします。けれどもやっぱり、春樹ワールドとは何かが根本的に違うと感じます。〉

〈どこにいつ生まれようと与えられた条件下で最善を尽くそうとする一人一人の面影が小説の中で生きているのです。〉

◎紹介作品
*キム・ヨンス『七年の最後』橋本智保訳(新泉社)
https://www.shinsensha.com/books/5913/

*キム・ヨンス『夜は歌う』橋本智保訳(新泉社)
https://www.shinsensha.com/books/2878/

*キム・ヨンス『ぼくは幽霊作家です』橋本智保訳(新泉社)
https://www.shinsensha.com/books/3670/

*キム・ヨンス『ニューヨーク製菓店』崔真碩訳(クオン)
*キム・ヨンス『世界の果て、彼女』呉永雅訳(クオン)
*キム・ヨンス『ワンダーボーイ』きむふな訳(クオン)

https://x.com/kbook_shinsen/status/1905587537294623184