2023年2月4日付「朝日新聞」読書面に、弊社刊「韓国文学セレクション」、チョ・ヘジン『天使たちの都市』（呉華順訳）の書評が掲載されました。評者は阿古智子さんです。

◎阿古智子さん評
「「天使たちの都市」書評　周縁に追いやられた人の視点で」
https://book.asahi.com/article/14831028

〈私は中国の底層を社会学の手法で見ようとしてきたが、いくら奥深く入り込み、想像力をたくましくしても、聞こえてこない声、見えない傷がある。〉

〈「傷つきながらも声をあげられずにいる人、社会から見捨てられた人たちへの、“同感”のまなざしが光る」という帯の言葉に引かれた。〉

〈本書が収録する7篇を読み進めると、過酷な生活の中で孤独と暴力に苦しむ男女、社会の周縁に追いやられた人々の視点から、目の前に光景がすーっと広がっていくかのように感じる。〉

〈歴史に翻弄され、極東ロシアからウズベキスタンに強制移住させられた高麗人は、ルーツが韓国にあっても韓国語がほとんど話せない。〉

〈米国から一時帰国した19歳の〈きみ〉は「自分でも自分の国籍がわからない」。〉

◎チョ・ヘジン『天使たちの都市』（呉華順訳）書籍詳細ページ
https://www.shinsensha.com/books/5266/