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メディア2021.12.07

『なぜ環境保全米をつくるのか』の書評が「河北新報」に掲載されました

「河北新報」2021年12月5日付読書欄「東北の本棚」にて、谷川彩月著『なぜ環境保全米をつくるのか』が紹介されました。

◎「<東北の本棚>「ゆるさ」が普及を促す」
https://kahoku.news/articles/20211205khn000005.html

〈著者は、環境社会学、農村社会学が専門の若手研究者。農協ぐるみ、地域ぐるみで環境保全米に取り組む登米市内で、生産者へのインタビューやアンケートを重ね、登米で栽培が広がり、続いている背景を探った。〉

〈導き出したのは「ゆるさ」というキーワードだ。環境に配慮した農業は、農薬や化学肥料を一切使わない有機栽培が代表的。ところが、国内での取り組みはわずかにとどまる。〉

〈肩肘張らずに環境に優しい農業を実践する様子は「自分の体にいいものをつくった方がいいんでは」などの生産者の言葉からもうかがえる。リーダー的な生産者も「地域全体が環境に目覚めるきっかけになれば」と期待を込めて共に歩んできた。その結果、環境保全米作りは「もう生活の一部」と語られるほどしっかり根付いた。〉

〈著者は「ある種の寛容さや<ゆるさ>が環境配慮型農法の普及や継続を促す」と指摘。そのゆるさに「持続可能性に関わる問題に『普通』の人々が少しずつでも参与できる可能性」を見いだしている。地球規模で語られる環境問題にどう向き合えばいいか。普通に暮らしながら田んぼを耕す登米の農家の人々の姿は参考になる。〉