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メディア2020.06.06

『ギター・ブギー・シャッフル』の書評が「朝日新聞」に掲載されました(いとうせいこう氏評)

いとうせいこうさんによる、韓国文学セレクション『ギター・ブギー・シャッフル』(イ・ジン作、岡裕美訳)の書評が、2020年6月6日の「朝日新聞」読書面に掲載されました。

◎いとうせいこう氏評「イカすエンタメ過去を甦らせる」

https://book.asahi.com/article/13433607

〈並みいる韓国文学の翻訳書の中に、またひとつ毛色の違った小説が現れた。〉

〈『ギター・ブギー・シャッフル』というイカしたタイトル自体がベンチャーズの名曲から採られており、八つに分かれた章のそれぞれにもアメリカ発の渋いヒットチューンの曲名や歌詞が並んで楽しい。〉

〈それぞれの戦後が、国が異なるごとに変わるのも、東アジアの全体の歴史を想像させて面白い読書体験になるだろう。〉

〈例えば「タンタラ」という差別された芸能民の存在などが出てくると、私たちの国にも「河原者」と呼ばれてきた芸能の流れがあることを思い、文化圏として我々はひとつだと思える。〉

〈ついに日本の市場に韓国のエンターテインメント小説が入ってきたことになる。だが、かの国の文学の特徴でもある社会と個人の軋轢の描写は決して消えることがない。このへんは日本との大きな違いだろう。〉

〈なんと作者は82年生まれの女性。作家というのはそういうものだけれど、他人のデータを我が物として生き生きと人物を動かす。〉