お知らせ

メディア2019.07.18

『マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる』が「日本経済新聞」で紹介されました

2019年7月17日付の日本経済新聞「中外時評」で、小社刊『マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる』(竹峰誠一郎著)が紹介されました。上級論説委員・飯野克彦さんの記事「 「ゴジラの里」に積もる危機 」の中です。ありがとうございます。

《いわば辺境だからこそ世界的な問題が折り重なって表れている》

◎「「ゴジラの里」に積もる危機」日本経済新聞webサイト https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47388830W9A710C1TCR000/

〈実験が打ち止めになって半世紀以上たった今なお被害が続いていることは、明星大学の竹峰誠一郎准教授が「マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる」で綿密に検証している。多くの住民が移住を余儀なくされ、いわば「核の難民」として生きている。被曝の可能性が指摘されながら、診療や補償を受けていない人たちもいる。〉

〈実験で出た「核のゴミ」を米国はエニウェトクに設けたコンクリート製の「ルニット・ドーム」に埋めたが、その表面にはいまや亀裂が走る。国連のアントニオ・グテレス事務総長はことし5月「放射性物質が太平洋に漏れ出す危険がある」と警告した。〉

〈8万立方メートルをこえる放射性廃棄物が埋められているとされるルニット・ドームが冠水したらどうなるのか。環境活動家のあいだでは心配の声が高まっている。だが、マーシャル諸島が独立した際の取り決めで米国がドームの管理に法的責任を負わなくなったこともあって、これといった対策は具体化していない。〉

〈「いわば辺境だからこそ世界的な問題が折り重なって表れている」と、竹峰准教授は指摘する。大国の傲慢と非情、あるいは鈍感が、くっきりと浮かび上がってくる。〉