〔山尾三省ライブラリー〕
森羅万象の中へ
その断片の自覚として
- 四六判上製
- 256頁
- 1800円+税
- ISBN 978-4-7877-1188-5
- 2012発行
- [ 在庫あり ]
- 野草社/発行
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紹介文
『ここで暮らす楽しみ』に続き、1999~2001年に書き続けられたエッセイ集、待望の復刊。この道の途上で、手術も叶わぬ胃ガンと診断された著者は、「ぼく達は森羅万象の断片ながら、やはり最終的には『永劫』という究極の存在の断片である」と、「あとがき」に記すのである。
「ぼくは屋久島の森の中に住んでいるから、森羅万象という言葉からはすぐに森そのもののありようを思い浮かべる。森の樹々の千差万別のたたずまいは、わずかに百メートル四方の範囲を歩いてみるだけでも、じつにそこにおいてすでに森羅万象を形成し尽くしている。ぼく達はただ、自分の生き方や性格や思想に従って、それぞれに自分の森羅万象の中へと人生を傾けてゆくほかはない。」(本文より)
目次
がじゅまるの樹
五右衛門風呂
星の黙示録
循環するもの
土という幸福(その一)
土という幸福(その二)
親和力
大潮
水について
どなんの風
哲学
渡良瀬川と田中正造
石の時
木花開耶姫
岩長姫の胎内
精神の臍の緒
月と闇について
雑木雑草(その一)
雑木雑草(その二)
岩根もり来る苔水
蟻一匹
夕陽
シャコ貝の夢
ゴマウナギと息子
考古学の楽しみ
銀河系の断片
島という無尽蔵
あとがき