古代相模の地方統治 下寺尾官衙遺跡群
近刊

古代、地域はどのようにつくられていったか

シリーズ「遺跡を学ぶ」174

古代相模の地方統治 下寺尾官衙遺跡群

  • 大村 浩司/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1700円+税
  • ISBN 978-4-7877-2534-9
  • 2025.10.15発行

紹介文

湘南ともよばれる神奈川県茅ヶ崎地域。その相模湾間近の台地と周辺から、古代の相模国高座(たかくら)郡の郡役所と郡寺、船着き場、祭祀場の遺跡がまとまってみつかった。それらが織りなす風景は、天皇を中心とした律令制度下の新たな地方社会を印象づける舞台装置であった。

目次

第1章 古代相模国と地方官衙の研究
1 海と低地と台地のまち、茅ヶ崎
2 古代相模国と高座郡
3 郡衙遺跡の研究

第2章 高座郡衙
1 「遺跡群」としてみる高座郡衙
2 下寺尾西方遺跡の調査
3 高座郡衙の構成と変遷

第3章 寺院・川津・祭祀場
1 郡衙周辺寺院―七堂伽藍跡
2 郡衙を支えた川津
3 律令的祭祀と仏教的祭祀
4 官衙南部地域の関連遺跡

第4章 郡衙のある風景
1 地形と交通を重視した選地
2 高座郡衙の三つの風景

第5章 奇跡の遺跡保存
1 校舎建替えか遺跡保存か
2 「重なる史跡」のこれから

出版社からのコメント

茅ヶ崎というと湘南、えぼし岩が思い浮かびますが、こんな古代の充実した遺跡があったことに発掘担当者も驚いたそうです。

著者紹介

大村 浩司(オオムラ・コウジ)

1954年、広島県広島市生まれ
國學院大學文学部史学科考古学専攻卒業
現在、神奈川県真鶴町文化財審議委員、茅ヶ崎市教育委員会文化財調査員
主な著作 「相模国高座郡家と下寺尾廃寺」『古代東国の地方官衙と寺院』(山川出版社、2017)、『旧相模川橋脚』(新日本の遺跡3、同成社、2024)、「埋蔵文化財資料から地域資料へ」『季刊考古学158 特集:考古学と埋蔵文化財』(雄山閣、2022)ほか

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