水・環境・アジア

水・環境・アジア

グローバル化時代の公共性へ

  • 西原 和久/編
  • 名古屋大学大学院環境学研究科社会学講座/編集協力
  • A5判
  • 192頁
  • 2000円+税
  • ISBN 978-4-7877-0705-5
  • 2007発行
  • [ 在庫僅少 ]
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紹介文

グローバルに広がる環境問題の解決に向けて、水俣・琵琶湖・メコン川での取り組みから、これからの公共的・実践的アプローチを提案。
宇井純「水俣の経験と専門家の役割」
嘉田由紀子「近い水・遠い水」
羅紅光「アジアと中国・環境問題の争点」

■○宇井 純 われわれが生きている公共の場というのは、国とは別にあるのだと思います。/道理がものをいう公共という場が──少なくともみんなが一緒に生きる公共という場が──あるのだということが定着してきたように思います。
○嘉田由紀子 大事なのは、水と人、川と人の関わりの再生だと思います。/「遠い水」を、どうすれば「近い水」にすることができるのか、ここには「制御論」ではなくて、共に生きる論理・「共生論」が必要であると思います。

目次

第1部 シンポジウム

第1章 アジアと中国・環境問題の争点
メコン川セミナーから学んだもの    羅 紅光
第2章 近い水・遠い水
琵琶湖の事例から考える水環境の自治  嘉田由紀子
第3章 水俣の経験と専門家の役割
公害と環境における公共性を問う    宇井 純
パネル討論   コメンテーター 田中重好・田渕六郎

第2部 論  考

第4章 河川と公共性
河川は誰のものか           田中重好
第5章 環境・公共性・アジア
人間・社会環境学の実践的課題     西原和久

【著者紹介】
西原和久(にしはら・かずひさ) 名古屋大学大学院環境学研究科(社会学講座)教授
宇井 純(うい・じゅん) (故人)元東京大学工学部助手・前沖縄大学名誉教授
嘉田由紀子(かだ・ゆきこ) 滋賀県知事
羅 紅光(ら・こうこう) 中国社会科学院社会学教授
田中重好(たなか・しげよし)  名古屋大学大学院環境学研究科(社会学講座)教授
河村則行(かわむら・のりゆき)  名古屋大学大学院環境学研究科(社会学講座)准教授
田渕六郎(たぶち・ろくろう) 上智大学総合人間科学部准教授

著者紹介

西原 和久(ニシハラ・カズヒサ)

成城大学社会イノベーション学部教授、名古屋大学名誉教授。マンチェスター大学、南京大学、インスブルック大学、ハワイ大学、北京外国語大学などで客員研究員、客員教授を歴任。専門は、社会学理論、移民・移動者研究、国際社会学。本書と関連する主著と訳書は以下の通り。
関連主著:『社会学的思考を読む』(人間の科学社、1994年)/『意味の社会学』(弘文堂、1998年)/『自己と社会』(新泉社、2003年)/『間主観性の社会学理論──国家を超える社会の可能性[1]』(新泉社、2010年)/『トランスナショナリズムと社会のイノベーション』(東信堂、2016年)関連訳書:『間主観性と公共性』(N. クロスリー著、新泉社、2003年)/『社会学キーコンセプト─「批判的社会理論」の基礎概念57』(N. クロスリー著、新泉社、2008年、監訳)/『社会運動とは何か─理論の源流から反グローバリズムまで』(N. クロスリー著、新泉社、2009年、共訳)/『国際社会学の射程』(U. ベックほか著、東信堂、2016年、共編訳)など。

名古屋大学大学院環境学研究科社会学講座(ナゴヤダイガクダイガクインカンキョウガクケンキュウカシャカイガクコウザ)