だれのための海洋保護区か
西アフリカの水産資源保護の現場から
- 四六判上製
- 368頁
- 3200円+税
- ISBN 978-4-7877-1409-1
- 2014発行
- [ 在庫あり ]
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紹介文
地域社会の持続可能な発展と、生物多様性保全の両立が理想的に語られる現場で、何が起きているのか。西アフリカ、セネガルにおける徹底的なフィールドワーク調査にもとづく、「理想の自然保護区」への問い。
脅威にさらされた海洋や沿岸域の生物多様性の保全施策として世界的な広がりを見せる海洋保護区の設置。コミュニティ主体型自然資源管理による貧困削減との両立が理想的に語られるが、その現場で実際に発生している深刻な問題を明らかにし、地域の実情にあわせた資源管理を提言する。
「コミュニティ主体型自然資源管理の問題点と将来の展望をわかりやすく語る。エコツーリズムの光と影を見事に映し出している。海洋国の日本に重要な視点を提供してくれる好著。」山極寿一氏(人類学・霊長類学者、京都大学教授)
「日本で初めて「海洋保護区」を書名に冠した本書は、幻想ではなく、アフリカから世界の現実を見据え、国際環境団体の言説の二段階先を説いている。」松田裕之氏(生態学者、横浜国立大学教授)
目次
序章 「理想の自然保護区」で
第1章 世界に広がる海洋保護区とその悲劇
第2章 だれが魚を獲るのか
第3章 海洋保護区はいかにつくられたか
第4章 つくられたコミュニティ
第5章 増える魚と減る魚――問われる科学の役割
第6章 エコツーリズムという幻想
第7章 環境NGOはだれのために動くのか
第8章 だれの意見が正しいのか
第9章 海洋保護区という言説を超えて