後期旧石器時代の新たな遺跡構造論

武蔵野台地出土の旧石器を詳細に分析し、人々の行動を明らかにする

後期旧石器時代の新たな遺跡構造論

東京の遺跡を中心に

  • 伊藤 健/著
  • B5判上製
  • 372頁
  • 10000円+税
  • ISBN 978-4-7877-2420-5
  • 2025.03.25発行
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紹介文

後期旧石器時代の武蔵野台地を対象として、石器をめぐる集団の行動とその領域を明らかにする。発掘調査報告書を分析の「テキスト」と見たてて、報告書から集成できるすべての遺跡の石器集中部(ブロック,ユニット)の出土石器情報を集成・集計し、「石器をめぐる行動」の様相を導きだす。

目次

序 章 主題と構成
1 本書の主題
2 本書の構成

第1章 総 説
第1節 武蔵野編年の枠組み
第2節 編年の基礎としての立川ローム層
第3節 文化層と石器集中部を取り巻く諸問題
第4節 集団構成と領域・人口
第5節分析の手順

第2章 第2群・第3群
第1節 茂呂遺跡をめぐって
第2節 第2群・第3群の分析
第3節 第2群・第3群の様相

第3章 第4群
第1節 面取尖頭器石器群の分析
第2節 第4群の分析
第3節 第4群の様相
第4節 第4群の細分
第5節 第4a群および第4b群の分析と様相

第4章 新たな遺跡構造論
第1節 周辺地域の様相
第2節 武蔵野台地の行動様態

別 表
1 2013年以降の放射性炭素年代測定値一覧
2 第2群の石器集中部石器組成
3 第2群のナイフ形石器・石核石材組成
4 第3群の石器集中部石器組成
5 第3群のナイフ形石器・石核石材組成.
6 第4群の石器集中部石器組成
7 第4群のナイフ形石器・角錐状石器・石核石材組成
8 相模野台地の石器集中部石器組成

出版社からのコメント

100ページを超える別表が凄い!発掘調査報告書260冊から出土石器情報を網羅掲載。

著者紹介

伊藤 健(イトウ・ツヨシ)

1961年 静岡県生まれ
國學院大學大学院文学研究科史学専攻博士課程修了 博士(歴史学)
公益財団法人東京都スポーツ文化事業団東京都埋蔵文化財センター調査課課長を経て,現在,東海大学文学部非常勤講師
日本旧石器学会学会賞(2019年)受賞
石器文化研究会代表世話人
著  書
『考古学リーダー14 後期旧石器時代の成立と古環境復元』六一書房,2008年(共著)
主な論文
「ナイフ形石器文化の画期と変容」『物質文化』54,物質文化研究会,1990年
「ナイフ形石器の変異と変遷」『研究論集』Ⅹ,東京都埋蔵文化財センター,1991年
「先土器時代社会の人口と領域」『古代文化』47‒2,古代學協會,1995年
「後期旧石器時代遺跡研究のための低位モデル」『東京考古』17,東京考古談話会,1999年
「ナイフ形石器文化編年の形成過程―Ⅴ層・Ⅳ層下部段階の解体に向けて―」『旧石器研究』3,日本旧石器学会,2007年
「後期旧石器時代における黒曜石原産地組成―「Ⅳ中2亜段階」と伊豆柏峠黒曜石―」『研究論集』ⅩⅩⅩ,東京都埋蔵文化財センター,2016年
「後期旧石器時代「武蔵野編年」の新地平―樋状剝離を有する尖頭器石器群をめぐって―」『研究論集』ⅩⅩⅫ,東京都埋蔵文化財センター,2018年

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