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「客観報道」とは何か

戦後ジャーナリズム研究と客観報道論争

  • 中 正樹/著
  • A5判上製
  • 360頁
  • 3800円+税
  • ISBN 978-4-7877-0601-0
  • 2006発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

弊害の要因なのか、求められる理念なのか。
やらせ報道、偏向報道、犯罪報道における人権侵害──ジャーナリズムが問題を引き起こすたびに、「客観報道」はその要因の一つとして批判されたり、逆にジャーナリズムの理念として求められてきた。しかし、その意味するところは人によって千差万別で、合意ができているわけではない。本書は、「客観報道」という言説の変遷から戦後日本のジャーナリズムを照射する。

目次

第1章 「客観報道」とは何か
第2章 ジャーナリズムの再生と「客観報道」──1940年代後半から1950年代
第3章 「客観報道」の成立──1960年代から1970年代
第4章 ジャーナリズムの危機と「客観報道」──1980年代前半
第5章 客観報道論争
第6章 「客観報道」と日本のジャーナリズム研究

著者紹介

中 正樹(ナカ・マサキ)

1971年、茨城県に生まれる。1997年、早稲田大学大学院人間科学研究科修了。千里金蘭大学人間社会学部講師を経て、現在、静岡大学准教授。博士(社会学)[武蔵大学]取得。専攻 ジャーナリズム論・メディア論
共著 『テレビニュース・インタビュー調査報告書――ブラジル・イギリス・アメリカ・日本』(国際テレビニュース研究会、2005年) 論文 「雑誌における女性被害者の分析――事例研究:「東京電力女性社員殺人事件」を「学習院男子学生殺人事件」を比較する」(小玉美意子・黄允一との共著、『ソシオロジスト』第1巻第1号、1999年)、「客観報道の定義に関する多様性の検討――定義モデル化の試みから」(『年報社会学論集』第13号、2000年)、「ITの日常化:デジタルデバイドとは何か?」(圓岡偉男・木戸功編『社会学的まなざし――日常性を問い返す』新泉社、2002年)、「高齢者と新しいメディア――そのイメージと現実」(渋谷望・空閑厚樹編『エイジングと公共性』コロナ社、2002年)、「用語としての「客観報道」の成立」(『ソシオロジスト』第1巻第5号、2003年)、「「自己言及的パラドックス」と日本のジャーナリズム研究」(濱口晴彦監修・海野和之編『社会学が拓く人間科学の地平』五絃社、2005年