シリーズ 時代を考える
裁判員と死刑制度
日本の刑事司法を考える
- A5判
- 136頁
- 1200円+税
- ISBN 978-4-7877-1006-2
- 2010発行
- [ 在庫あり ]
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紹介文
つぎつぎと下される死刑判決、明らかになる冤罪事件、その中での裁判員制度の施行……。いま、この国の刑事司法は、どこへ向かおうとしているのか。
冤罪事件に精力的に取り組む弁護士、伊藤和子氏と、アムネスティ・インターナショナル日本事務局長、寺中誠氏が、日本の刑事司法の問題点を洗い出す。
目次
はじめに
1〈講演〉裁判員制度とこれからの課題 伊藤 和子
裁判員制度の創設/日本の刑事裁判の問題点/無実を叫ぶ死刑囚──名張毒ぶどう酒事件/内側からは変わらない──市民からかけ離れた裁判官/アメリカの陪審制度/市民参加による裁判の改革/これからの課題/【学生との質疑応答】
2〈講演〉死刑制度はいらない 寺中 誠
アムネスティ・インターナショナルと死刑制度廃止運動/近代社会は死刑を克服しようとする/隠された死刑の実態/死刑に犯罪抑止効果はない/死刑存置論をつくりだす世論/復讐ではなく人権から考える/【学生との質疑応答】/【講演を聴いて】
3〈対談〉日本の刑事司法を考える 伊藤 和子・寺中 誠
司法改革がやり残したこと/警察・検察は正義の味方か/冤罪の温床、代用監獄と取調べ受忍義務/取調べ一部録画の落とし穴/DNA鑑定の問題点/厳罰化が進んでいる/判決の先を考える
おわりに
【参考資料】
【著者紹介】
石川 裕一郎(いしかわ・ゆういちろう)
聖学院大学政治経済学部政治経済学科准教授
1967年生。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士後期課程単位取得。専門は憲法・フランス法。主な著作に『リアル憲法学』(共著、法律文化社)、『フランスの憲法判例』(共著、信山社)、『憲法理論叢書・:現代社会と自治』(共著、敬文堂)、「渋谷区条例:『安全/セキュリティ』という視座」(『法と民主主義』377号)、「コミュニティの安全確保における市民団体の役割:『中間団体理論』と『主体性理論』から分析される生活安全条例」(『月刊自治研』529号)、「自由と安全:憲法学から考える」(『法学セミナー』641号)、主な訳書に『フランス法律用語辞典』(共訳、三省堂)。