人びとが地域の森林に刻んだ歴史を道しるべに、森と人のよりよい関係の未来像を探る
森林と時間
森をめぐる地域の社会史
- 四六判
- 272頁
- 2600円+税
- ISBN 978-4-7877-2403-8
- 2024.08.10発行
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書評・紹介
紹介文
樹木の生命は数十年、数百年に及ぶ。
森林と地域の持続的な関係の構築には長期の時間スケールが不可欠だが、一人の人間の一生では抱えきることができない。
次世代への継承の困難さが増す農山村を見据え、人びとが地域の森林に刻んだ歴史を道しるべに、森と人のよりよい関係の未来像を探る。
〈『森林と時間』というタイトルには、森林を考える際の困難や切なさ、そしてそれでもなお、胸躍ってしまう気持ちを込めた。私たちは長くても一〇〇年前後の時間しか生きることのできない人であり、その私たちが集いつくる社会は移ろいやすい。そんな私たちとともに長い時間をかけて成長する森林と人、社会の関係は複雑さに充ち満ちている。本書を契機として、森林と時間についての思索がいっそう深まればと願う。————編者〉
ブックデザイン:北田雄一郎
(書店発売開始日:2024年8月6日頃)
目次
序章 森林の時間と人の時間…………山本伸幸
第1章 山造りに出会った人びと——島﨑洋路と森林塾…………三木敦朗
第2章 山村社会の継承と女性のライフコース——栃木県の山村の二〇〇年にみる女性たちの歩み…………山本美穂
第3章 山と川と共に暮らす集落と住民の生活史……竹本太郎・佐藤周平・松村 菖
第4章 福島県浜通りの近代と森林・断章…………山本伸幸
第5章 紙・パルプ産業と地域持続性の懸隔——王子製紙山林部の展開と現場作業組織の相互連関…………早舩真智
第6章 赤井学校の時代——ある地方大学にみる国産材供給整備の源流…………奥山洋一郎
第7章 森林管理の当事者性と専門性——林政の変遷と天竜・富士南麓にみる地域実践…………志賀和人
終章 森林と人の関係を紡ぎ直し続けるために…………山本伸幸