湯浅誠が語る「現代の貧困」

シリーズ 時代を考える

湯浅誠が語る「現代の貧困」

  • 湯浅 誠/対談
  • 金子 勝/対談
  • A5判
  • 120頁
  • 1000円+税
  • ISBN 978-4-7877-0905-9
  • 2009発行
  • [ 品切中 ]
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紹介文

まっとうな社会へ、私たちに何ができるのか。今、「自己責任」という名の下に、働いても苦しい生活を強いられ、希望さえ見失う現実が広がっている。支援活動にもとづく鋭い問題提起を行ってきた湯浅誠氏が、若者たちへ語りかけ、金子勝氏と対談で論点をえぐり出す。

目次

はじめに                        高端正幸

1 生きること、働くこと、そしてつながること
〈講演〉湯浅 誠
ある派遣労働者
座れなかった人ではなく椅子の数に注目する
中間層がやせ細り、貧困層と富裕層が増える社会
落ちる穴が広がっている
お互いがお互いを下げ合うような構造
変えていくほうに動こう

2 若者へのメッセージ
〈対話〉湯浅 誠・学生
他人を「巻き込む」ということ
人を支えるということ
政策に必要なこと
貧困と不登校に共通の底部
自分にできることから始めよう
支援の現場で
働く人の状態が社会全体に反映される

3 「社会の貧困」を打破する
〈対談〉湯浅 誠・金子 勝
派遣村で変わったこと、変わらないこと
拡充しないセーフティーネット
みんな派遣労働の本当の姿を見ていない
薄い氷の上を歩いてきた日本経済
生活が出てこない労働論
働くことの誇り、技能の社会的評価
苦しい中でビジョンを示す
運動がつながっていくこと

あとがき 大高研道

【著者紹介】
大高研同(おおたか・けんどう)
1969年生まれ。聖学院大学政治経済学部コミュニティ政策学科准教授。
主な著書 『社会的排除と「共同の教育」』(共著、お茶の水書房)、『地域づくり教育の新展開』(共著、北樹出版)、『NPOと社会的企業の経営学』(共著、ミネルヴァ書房)ほか。

高端正幸(たかはし・まさゆき)
1974年生まれ。聖学院大学政治経済学部准教授をへて、2009年4月より新潟県立大学国際地域学部准教授。
主な著書 『地域切り捨て―生きていけない現実』(共編著、岩波書店)、『希望の構想―分権・社会保障・財政改革のトータルプラン』(共著、岩波書店)、『財政学』(共著、有斐閣)ほか。

著者紹介

湯浅 誠(ユアサ・マコト)

1969年生まれ。NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局長。2008~09年年末年始の「年越し派遣村」では村長を務める。主な著書 『反貧困』(岩波新書)、『貧困襲来』(山吹書店)、『本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』(同文館出版)、『派遣村―何が問われているのか』(共著、岩波書店)、『正社員が没落する』(共著、角川新書)ほか

金子 勝(カネコ・マサル)

1952年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。主な著書 『閉塞経済―金融資本主義のゆくえ』(ちくま新書)、『地域切り捨て―生きていけない現実』(共編著、岩波書店)、『金子勝の食から立て直す旅―大地発の地域再生』(岩波書店)、『金子勝の仕事道!』(岩波書店)、『戦後の終わり』(筑摩書房)、『粉飾国家』(講談社現代新書)、『セーフティーネットの政治経済学』(ちくま新書)、『世界金融危機』(共著、岩波ブックレット)ほか。