ラテンアメリカ1968年論
- 四六判上製
- 416頁
- 3200円+税
- ISBN 978-4-7877-1509-8
- 2015発行
- [ 在庫あり ]
- 書店サイトへ
紹介文
〈世界史としての1968年〉
世界中で歴史の転換点となる出来事が多発した1968年。
ラテンアメリカの1968年を世界史の視点から検証し、その歴史的意味を再構築する。
《「1968年論」を展開している多くの論者たちの視野に入っているのは先進資本主義諸国であり、周辺途上諸国にも共通した現象であったのかに関する展開はあまり見られない。
本書はラテンアメリカ諸国における「1968年」の検証作業を通じて、それを人類史の中に位置づけ直すことで、世界史の全体的な再編成を行い、グローバル・ヒストリーとしての世界システム論を強化することを目指すものである。…………著者》
目次
序章 世界史としての1968年
[1]はじめに/[2]ウォーラーステインの一九六八年論/[3]一九六八年の諸現象/[4]各国における一九六八年論/[5]おわりに
第1章 ラテンアメリカ1960年代同時代史
[1]キューバ革命の影響/[2]「進歩のための同盟」/[3]従属論--「低開発の発展」/[4]解放の神学/[5]ラテンアメリカ文学の〈ブーム〉/[6]中米諸国における反米・反独裁・民族解放闘争
第2章 メキシコ 1968
[1]はじめに/[2]一九六八年のメキシコ学生運動/[3]「トラテロルコの夜」--一〇月二日事件/[4]「メキシコ一九六八年」の政治・社会的意味/[5]おわりに
第3章 ペルー 1968
[1]はじめに/[2]「ペルー革命」前史/[3]一九六八年一〇月三日「ペルー革命」/[4]ベラスコ左翼軍事政権の展開/[5]むすび--軍部ポピュリズムと中間層
第4章 キューバ 1968
[1]はじめに/[2]キューバ一九六〇年代/[3]「パディージャ事件」の発生--一九六八年/[4]「パディージャ事件」の再燃--一九七一年/[5]「パディージャ事件」の意味/[6]おわりに
第5章 チリ 1968
[1]はじめに/[2]チリ政治・経済の特徴/[3]一九六八~六九年の政治過程/[4]一九七〇年大統領選挙とアジェンデUP政権の成立/[5]急進党・PDCの再分裂・再編/[6]チリ一九六八~六九年の意味/[7]おわりに
第6章 パナマ 1968
[1]はじめに/[2]米国帝国主義とパナマ運河/[3]パナマ・ナショナリズム/[4]反米ナショナリズムと一九六八年一〇月クーデター/[5]運河条約改定/[6]おわりに
第7章 ブラジル 1968
[1]はじめに/[2]ヴァルガス「新国家」体制以後/[3]ゴラール政権/[4]一九六四年クーデター/[5]マリゲーラらの都市ゲリラ闘争/[6]ブラジルの奇跡/[7]おわりに
第8章 アルゼンチン 1968
[1]はじめに/[2]ペロニズムの形成/[3]一九五五年以後のアルゼンチン政治/[4]アルゼンチン一九六八~七〇年/[5]ペロンの復帰とモントネロス/[6]ゲリラ闘争の終焉/[7]おわりに
第9章 ウルグアイ 1968
[1]ウルグアイの独立/[2]ウルグアイの近代化/[3]第二次世界大戦後/[4]トゥパマロス/[5]トゥパマロスの鎮圧と軍部の台頭
終章 「1968年現象」と中間層
[1]一九六〇年代の中間層論/[2]現代ラテンアメリカの中間層論/[3]中間層論から見た「ラテンアメリカの一九六八年」