日韓〈歴史対立〉と〈歴史対話〉

日韓〈歴史対立〉と〈歴史対話〉

「歴史認識問題」和解の道を考える

  • 鄭 在貞/著
  • 坂井 俊樹/監訳
  • 金 廣植/訳
  • 徐 凡喜/訳
  • 四六判上製
  • 312頁
  • 2500円+税
  • ISBN 978-4-7877-1506-7
  • 2015発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

日本と韓国の両政府による日韓歴史共同研究委員会にも加わった研究者が、日韓の対立点と対話の内容を客観的に整理し、問題解決への道を提案する。


歴史和解は一日で成り立つものではない
「韓国と日本が歴史対立を克服するためには、相手国の歴史認識だけを問題にして改善を求めていては困る。両国民は自らの歴史認識だけが正しいという固定観念から抜け出し、より柔軟かつ洗練された姿勢をみせるべきである。」

目次

I 日韓〈歴史対立〉
第1章 歴史認識の衝突と接近
対立の背景にあるもの/日本政府高官の不適切発言/和解への取り組みもあった

第2章 再燃する歴史対立
歴史教科書問題/靖国神社参拝問題/独島(竹島)領有権問題

第3章 未解決の歴史問題
強制動員の被害者/在韓被爆者/サハリン残留韓国人/日本軍「慰安婦」被害者


II 日韓〈歴史対話〉
第4章 積み重ねられた対話
対話のフロンティアたち/浮かび上がってきた論点/違いの認識と信頼関係へ/残された課題

第5章 民間による対話の進展
歴史対立再燃の中から/市民と世界への広がり/歴史認識の深化と共有/歴史共通教材の共同作成へ

第6章 第一期日韓歴史共同研究委員会
両政府が立ち上げた研究会/委員会の組織と活動/どのような成果があったのか/埋められなかった歴史認識の対立

第7章 第二期日韓歴史共同研究委員会
歴史教科書問題を受けて再開/難航した委員の選出と活動/反発しあう両国委員/進まなかった教科書の検討/それでも望まれる会の継続

終章 歴史和解のための提言

著者紹介

鄭 在貞(チョン・ゼジョン)

韓国・ソウル市立大学校国史学科教授、文学博士。専攻は韓国近現代史、韓日関係史、また韓国での日韓歴史教育、歴史教科書問題の第一人者。
韓国・ソウル大学校師範大学歴史教育科卒業、東京大学大学院修士課程(東アジア史専攻)、ソウル大学校大学院博士課程(韓国近現代史)修了。東北アジア歴史財団理事長、韓日歴史共同研究委員、北海道大学・東京大学特任教授などを歴任。

坂井 俊樹(サカイ・トシキ)

開智国際大学教育学部教授 博士(教育学)
東京学芸大学名誉教授、日本学術会議連携会員(第25・26期)
おもな著作 『現代韓国における歴史教育の成立と葛藤』(御茶の水書房、2003年)、『歴史教育と歴史学の協働をめざして─揺れる境界・国境・地域─』(共編著、梨の木舎、2009年)、『現代リスク社会にどう向きあうか─小・中・高、社会科の実践─』(共編著、梨の木、2013年)、『社会の危機から地域再生─アクティブ・ラーニングを深める社会科教育─』(編著、東京学芸大学出版会、2016年)、『一八歳までに育てたい力─社会科で育む「政治的教養」─』(監修、学文社、2017年)、『〈社会的排除〉に向き合う授業』(編著、新泉社、2022年)、〔監訳〕鄭在貞著『日韓の歴史対立と歴史対話─「歴史認識問題」和解の道を考える─』(新泉社、2015年)ほか。

金 廣植(キム・クァンシク)

東京学芸大学研究員および立教大学などの非常勤講師、博士(学術)。研究テーマは、近代朝鮮文化史、近年はおもに朝鮮民俗・考古学史、口承文芸を研究している。
著書として『植民地期における日本語朝鮮説話集の研究─帝国日本の「学知」と朝鮮民俗学─』勉誠出版、二〇一四年など。

徐 凡喜(ソ・ボミ)

翻訳業・韓国語講師。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。
おもな研究テーマは、韓国に帰還した韓国海外養子の内面葛藤に関する研究。
訳書として『海を渡ってきたわが子─韓国の子どもを育てたスウェーデンの親たち:九編の実話─』梨の木舎、二〇一三年など。