掘るだけなら掘らんでもいい話
新刊

藤森栄一の重要論文・エッセイを一冊に収録

藤森栄一考古学アンソロジー

掘るだけなら掘らんでもいい話

  • 藤森 栄一/著
  • 四六判上製
  • 296頁
  • 2500円+税
  • ISBN 978-4-7877-2317-8
  • 2023.12.19発行
  • [ 在庫あり ]

書評・紹介

紹介文

戦後、考古学という学問の魅力を多くの若者に強く印象づけ、希望と勇気をあたえた在野の考古学者、藤森栄一。没後50年という節目の年にあたり、藤森の重要論文(縄文農耕論、弥生文化論、古墳の地域的研究、諏訪大社研究)と考古学とは何かを鋭く問うエッセイを一冊に収録。

目次


掘るだけなら掘らんでもいい話
考古学への想い
考古学者は何をしてきたか


原始焼畑陸耕の問題
中期縄文文化論
中期縄文土器とその文化
縄文中期植物栽培の起源
諏訪湖の大きかった時と小さかった時
弥生式文化に於ける摂津加茂の石器群の意義に就いて
信濃諏訪地方古墳の地域的研究(抄)
諏訪大社


発掘ジャーナリズム
中央道と埋蔵文化財
〝埋文〟は何もいわないが…

解題にかえて──書かれた時代と背景 三上徹也

出版社からのコメント

考古学の思考法、面白さ、厳しさが伝わってきます。

著者紹介

藤森 栄一(フジモリ・エイイチ)

長野県諏訪郡上諏訪町(現諏訪市)生まれ。旧制諏訪中学校卒業。在学中より諏訪地域のさまざまな遺跡をめぐり、やがて両角守一の教えもあり、発掘調査を行うようになる。その後、森本六爾から大きな影響を受け、考古学研究に邁進する。1942年に応召、中国、南方方面を転戦し、1946年に復員。1948年、諏訪考古学研究所を設立。諏訪湖曽根遺跡や八ヶ岳山麓の井戸尻遺跡、曽利遺跡、藤内遺跡などの発掘調査を進めると共に、長野県考古学会会長を務め、諏訪湖やビーナスラインの自然・遺跡保護運動に従事する。
おもな著作 『信濃諏訪地方古墳の地域的研究』(伊藤書店、1944)、『かもしかみち』(葦牙書房、1946)、『石器と土器の話』(蓼科書房、1948)、『銅鐸』(学生社、1964)、『旧石器の狩人』(学生社、1965)、『諏訪大社』(中央公論美術出版、1965)、『古道』(学生社、1966)、『二粒の籾』(河出書房、1967)、『縄文農耕』(学生社、1970)、『心の灯』(筑摩書房、1971)、『信州教育の墓標』(学生社、1973)、『古墳の地域的研究』(永井企画出版、1974)、『藤森栄一遺稿集 考古学・考古学者』(学生社、1974)、『藤森栄一の日記』(学生社、1976年)、『藤森栄一全集』(全15巻、学生社)ほか多数。現在、雄山閣より「学生社考古学精選」として『かもしかみち』『銅鐸』が刊行されている。

関連書籍

  • 藤森栄一を読む
  • 考古学のこころ
  • 考古地域史論
  • 諏訪湖底の狩人たち・曽根遺跡