福島からの手紙

十七人が語る、十二年後の福島の物語。

福島からの手紙

十二年後の原発災害

  • 関 礼子/編
  • A5判
  • 128頁
  • 1000円+税
  • ISBN 978-4-7877-2309-3
  • 2023.08.31発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

避難を強いられた人、留まることを強いられた人、
自主的に避難した人、留まることを選んだ人、
帰還した人、避難先での生活を続ける人——。

福島原発事故から十二年。
人びとに流れた時間はどのようなものだったのか。
人びとはどのような〈いま〉を生きているのか。
十七人が語る、十二年後の福島の物語。

《福島の人びとは、どのような思いで原発事故後の世界を生きてきたのだろうか。ここに収められた十七通の「福島からの手紙」は、圧倒的なリアリティでそれぞれが経験した原発事故を語っている。あきらめ、憤り、感謝、そして希望。さまざまな想いが交錯する「福島からの手紙」を通して、いま一度、福島原発事故を見つめてみたい。…………編者》

[カバー写真]南津島の神楽の獅子頭
撮影:金子祥之

目次

はじめに——十二年後の福島では

1 留まる以外の選択肢はほとんどなかった…………二本松市 服部浩幸
2 「福島の子どもたちを守ろう」を合言葉に…………伊達市 渡辺 馨
3 「チェルノブイリ法日本版」を実現したい…………郡山市 春木正美
4 「ノーモア・フクシマ」、原発大事故を二度と起こしてはならない…………いわき市 伊東達也
5 七人の孫たちへ…………飯舘村 伊藤延由
6 息子と囲んだテーブルはご先祖様からの贈り物だった…………浪江町 今野寿美雄
7 十二年経っても癒えない思い…………広野町 鈴木恵子
8 励まし合いながらここまで来た…………楢葉町 金井直子
9 最高裁6・17不当判決は、必ず克服しなければならない…………南相馬市小高区 國分富夫
10 夢があった…………浪江町津島 関場健治
11 母の遺言…………浪江町津島 佐々木 茂
12 思い出のある津島・昼曽根の家…………浪江町津島 佐々木やす子
13 かあちゃん、あんちゃんに会えましたか…………浪江町津島 今野千代
14 つらかったことより楽しかったことを思い出す…………浪江町津島 須藤カノ
15 いまの世代ができる精いっぱい…………浪江町津島 三瓶専次郎
16 ノーモア・フクシマ、ふるさと津島に届け。…………浪江町津島 三瓶春江
17 二つめのカレンダー…………浪江町津島 石井ひろみ

編者あとがき——十二年後の福島から

著者紹介

関 礼子(セキ・レイコ)

1966年、北海道生まれ。立教大学社会学部教授。専門は環境社会学、地域環境論。
主な著作等:『シリーズ 環境社会学講座 3 福島原発事故は人びとに何をもたらしたのか——不可視化される被害、再生産される加害構造』(共編著、新泉社、2023年)、『福島からの手紙——十二年後の原発災害』(編著、新泉社、2023年)、「自然と生活を軽視する論理に抗う——新潟水俣病にみる公害被害の現在」(『シリーズ 環境社会学講座 1 なぜ公害は続くのか——潜在・散在・長期化する被害』新泉社、2023年)、『多層性とダイナミズム——沖縄・石垣島の社会学』(共編著、東信堂、2018年)、『阿賀の記憶、阿賀からの語り——語り部たちの新潟水俣病』(編著、新泉社、2016年)、『“生きる”時間のパラダイム——被災現地から描く原発事故後の世界』(編著、日本評論社、2015年)、『鳥栖のつむぎ——もうひとつの震災ユートピア』(共編著、新泉社、2014年)、『新潟水俣病をめぐる制度・表象・地域』(東信堂、2003年)など

関連書籍

  • 福島原発事故は人びとに何をもたらしたのか
  • 災害〈後〉を生きる
  • 震災後の地域文化と被災者の民俗誌FTP
  • 無形民俗文化財が被災するということFTP
  • 聞き書き 震災体験FTP
  • 災害ドキュメンタリー映画の扉
  • マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きるFTP