石鍋が語る中世・ホゲット石鍋製作遺跡

シリーズ「遺跡を学ぶ」122

石鍋が語る中世・ホゲット石鍋製作遺跡

  • 松尾 秀昭/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1600円+税
  • ISBN 978-4-7877-1832-7
  • 2017発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

九州の西の端、長崎県の西彼杵(にしそのぎ)半島の山中には、滑石の岩壁をくりぬいた痕跡が無数に残っている。これは中世に石鍋を盛んに製作した跡で、つくられた製品は、北は青森から南は琉球諸島にまで運ばれた。山中での石鍋製作と広域に流通した実態を明らかにする。

目次

第1章 西海の岩壁彫刻
1 岩肌に刻まれた職人の技
2 中世の煮炊き道具・石鍋
3 「滑石の宝庫」西彼杵半島

第2章 ホゲット石鍋製作遺跡
1 石鍋を追った先人たち
2 山中に広がる製作遺跡
3 他地域の製作遺跡
4 石鍋製作の実態と変遷

第3章 列島に普及した石鍋
1 どこで出土しているのか
2 だれが運んだのか
3 どのように使ったのか
4 石鍋が語る中世の実像

第4章 石鍋の終焉とこれから
1 石工技術の伝播
2 石鍋製作所の終焉
3 今後の石鍋研究と遺跡の保護

著者紹介

松尾 秀昭(マツオ・ヒデアキ)

1979年、長崎県佐世保市生まれ国士舘大学文学部卒業、別府大学大学院文学研究科修士課程修了。
佐世保市教育委員会社会教育課主任主事。
主な著作 「石鍋の補修具とは─バレン状石製品─」(『西海考古』第7号、西海考古同人会、2007)、「縦耳型石鍋の時期─長崎県内における資料を中心に─」(『別府大学文化財学論集』・ 後藤宗俊先生古希記念論集刊行会、2011)、「縦耳付石鍋の生産と流通」(『9~11世紀における大村湾海域の展開』長崎県考古学会、2016)ほか。