千ベロの聖地「立石」物語

なぜ立石は千ベロの聖地になったのか?

千ベロの聖地「立石」物語

もつ焼きと下町ハイボール

  • 谷口 榮/著
  • 四六判
  • 272頁
  • 2200円+税
  • ISBN 978-4-7877-2028-3
  • 2021.03.20発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

千円札一枚で酔える=「千ベロ」で有名な京成押上線立石駅前、仲見世の飲み屋街
「宇ち多」「みつわ」「江戸っ子」の魅力はどこにあるのか?
東京下町の飲みスタイル(流儀)とはどんなものか?
なぜ立石は千ベロの聖地になったのか?
京成線沿線の歴史と文化を掘り起こしつづける著者が熱く語る。

目次

1 思い出の中のもつ焼き屋さん
立石・青戸界隈で飲むと
幼い頃からもつ焼きに親しんできた
暖簾をくぐることを覚えたのは
飲み屋に行って帰ってこない父を
発掘の後はいつも

2 下町ハイボールともつ料理
働く人々にとってウイスキーは
味の決め手となるのは
もつ料理の「もつ」は豚もつ
なぜ隅田川以東の「もつ焼き」は
「焼き」「煮込み」「刺し」の三つ
味付けは「シオ」と「タレ」
「煮込み」は味噌ベース
串刺しバラ盛りの二通り
下町ハイボールの味のバリエーション

3 立石のもつ焼き屋さん細見
もつ焼き屋さんを記録する
宇ち多
みつわ
江戸っ子
鳥房(唐揚げ店)
店が醸しだす情緒
もつ焼き屋さんの特徴をつかむ
レトロとハイカラ
店によって流儀

4 立石仲見世物語
戦後復興とカスリーン台風
立石仲見世の誕生へ
高度経済成長期を経て
立石仲見世のエリア
千ベロの聖地「立石」の誕生
「立石仲見世商店街」の変遷
「小浅草」から「千ベロの聖地」へ

5 京成押上線と千ベロの聖地誕生
立石は京成押上線の駅のまち
震災復興と荒川放水路の完成
戦後復興と京成線
京成曳舟駅
八広駅
四ツ木駅
青砥駅
京成立石駅

6 立石の地霊
地名の起こりとなった「立石様」
祟る神様として
立石様の正体とは
奪い奪われる葛西城
交通の要衝を構成する「場」
河川を忘れた立石

付章 立石にあった「つたや京染店」
「つたや京染店」のルーツ
父と祖父の故郷を訪ねる
目黒から葛飾立石へ

出版社からのコメント

立石で生まれ育ち、もつ焼き屋さんに通い続ける著者が披露するとっておきの話満載です。

著者紹介

谷口 榮(タニグチ・サカエ)

1961年、東京都葛飾区生まれ、現在も葛飾区在住。
国士館大学文学部史学地理学科卒、博士(歴史学 駒澤大学)。
立正大学・明治大学・國學院大學・和洋女子大学兼任講師、NHK高校講座日本史講師歴任。現在、葛飾区産業観光部観光課主査学芸員、よみうりカルチャー講師、新潮講座講師も努めている。(立石三郎、勝鹿亭立石というペンネームでも執筆活動をしている)
日本考古学協会理事、観光考古学会理事、日本歴史学協会文化保護特別委員、境界協会顧問など。
研究テーマは、東京下町や旧葛飾郡域の環境と人間活動の変遷を通史的に研究、そのほか地形や地理と人間活動の関係性、地域的な飲食文化なども調査研究対象としている。
主な著作として、シリーズ「遺跡を学ぶ」057『東京下町に眠る戦国の城 葛西城』(新泉社)、シリーズ「遺跡を学ぶ」143『東京下町の前方後円墳 柴又八幡神社古墳』(新泉社)、『増補改訂版 江戸東京の下町と考古学―地域考古学のすすめ―』(雄山閣)、『東京下町の開発と景観』古代編・中世編(雄山閣)、編著『吾妻鏡辞典』(東京堂出版)、編著『遺跡が語る東京の歴史』(東京堂出版)など多数。

関連書籍

  • 東京下町に眠る戦国の城・葛西城FTP
  • 東京下町の前方後円墳 柴又八幡神社古墳