こどもホスピス

子どもを“看取る”ためではなく、残された時間を一緒に“豊かに生きる”ために。

こどもホスピス

限りある小さな命が輝く場所

  • 田川 尚登/著
  • 四六判
  • 208頁
  • 1700円+税
  • ISBN 978-4-7877-1921-8
  • 2019.12.15発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

「子どもを“看取る”ためではなく、残された時間を、一緒に“豊かに生きる”ために」
聖路加国際病院顧問 細谷亮太先生推薦!

家族のように、友のように、病児に寄り添い、最期まで支える。
日本ではまだ少ない「こどもホスピス」の設立のために活動する著者が、わが子を亡くした自分や患者会遺族の体験をふまえ、こどもホスピスとは何か、その必要性とともに語る。

『はるかは私に、どんなに短い命でも、愛し愛されるべき大切な命であるということを教えてくれました。はるかが生まれてきてくれた意味をかみしめながら、私は今日も夢に向かって歩んでいます。』(本文より)

『子ども自身が、「この世界に生まれてきてよかった」と思えること。両親や家族が、「この子が生まれてきてくれてよかった」「出会えてよかった」と思えること。それこそが、限りある子どもの命と向き合うということではないでしょうか。』(本文より)

目次

はじめに

第一章 6歳の娘に先立たれて

病気の予兆――二人の医師の診断は風邪
「余命半年」、脳腫瘍の告知
治療法を探し、駆けまわる日々
「帰らないで!」病院に響きわたる泣き声
子どもの成長とたくましさ
「パパ、死ぬってこういうこと?」
家族4人「最後の旅行」
人工呼吸器を外す決断
「子どもらしくいられる権利」を奪ってはいけない
――コラム(1)「告知」について考える

第二章 子どもが生まれてきた意味

娘が旅立ったあとの世界
始まりは病院へのテーブル寄贈
病気と闘う子どもと、その家族を支えたい
子どもの治療に付き添う家族のための宿泊施設
「リラのいえ」は第二の我が家
忘れてはいけない、きょうだいの思い
長女の涙と私の後悔
子どもが生まれてきた意味
――コラム(2)「小児緩和ケア」について考える

第三章 限りある子どもの命と精一杯向き合った家族たち
忘れられない医師の言葉
坊主頭になったお兄ちゃん
次男としての生きた証
世界がひっくり返った日
いつかお空で娘と答え合わせ
これまでもこれからも、ずっと家族
「お母さんは大丈夫?」
二次がんの発症
最期は家で看取りたい
――コラム(3)「グリーフケア」について考える

第四章 こどもホスピスをつくる

こどもホスピスは“生きる”ための場所
遺贈に込められた想いとNPO法人の立ち上げ
イギリスはこどもホスピス発祥の地
ドイツで出会った、日本人のお母さん
レスパイトケアを重視するオランダ
友のように、家族のように、寄り添うということ
「横浜こどもホスピス」が目指すもの
日本でのこどもホスピスの動き
世界から託されたバトンをつなごう!
ずっと、一緒に生きていく
娘にしてあげたかったこと―こどもホスピスの開設に向けて
――コラム(4)限りある子どもの命と、どう向き合うか

おわりに

出版社からのコメント

著者の田川氏の熱心な活動がこれまで新聞各紙でたびたび紹介されています。国内にはまだ少ない「こどもホスピス」の必要性に気づいてもらえたらと思います。

著者紹介

田川 尚登(タガワ・ヒサト)

1957年、神奈川県横浜市生まれ。川崎市在住。大学卒業後、ベンチャー企業、印刷会社を経て、2003年、NPO法人スマイルオブキッズを設立。2008年、病児と家族のための宿泊滞在施設「リラのいえ」を立ち上げる。2017年、NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトを設立し、代表理事に就任。ほか、NPO法人日本脳腫瘍ネットワーク副理事長、一般社団法人希少がんネットワーク理事、神奈川県立こども医療センター倫理委員を務める。
「病気や障がいがある子どもと家族の未来を変えていく」をモットーに、小児緩和ケアとこどもホスピスの普及を目指している。

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  • 最期に見る夢