他界へ翔る船

他界へ翔る船

「黄泉の国」の考古学

  • 辰巳 和弘/著
  • A5判上製
  • 352頁
  • 3500円+税
  • ISBN 978-4-7877-1102-1
  • 2011発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

船形をした木棺や埴輪、墓室に描かれた船画、円筒埴輪に刻まれた船……
船は霊魂を黄泉の国へといざなう。人々は魂の行方をどこに求めたのか。考古学がこれまで傍観してきた往時の「こころ」を探り、古代人の他界観を追究する。
〔本書、第一篇は『「黄泉の国」の考古学』(講談社現代新書、1996年)を補訂し、再録した。第二篇はその後提示された新資料を加えた新たな舟葬論を提示。第三篇では古墳時代の他界観を総論する。〕

目次

一 “舟葬論”事始め
第1章 くつがえる古墳時代観
第2章 「籠もり」と「再生」の洞穴
第3章 他界への旅立ち
第4章 古墳壁画の世界
第5章 形象埴輪の思想
第6章 妣の国・常世の国

二 古墳と船
第1章 「王の船」
第2章 見えない形・失われた形
第3章 船形埴輪の風景
第4章 船形木棺の時空
第5章 船のシンボリズム

三 古代人の他界観
序章 魂の行方
第1章 創出される異界空間
第2章 魂のなびき、異界への渡り
第3章 勾玉のシンボリズム
第4章 黄泉国訪問神話と喪葬の習俗
第5章 古墳時代と洞穴葬
第6章 古代人のこころ

著者紹介

辰巳 和弘(タツミ・カズヒロ)

1946年大阪市生まれ。同志社大学大学院文学研究科修了。
元同志社大学教授。
主な著書 『他界へ翔る船─「黄泉の国」の考古学』(新泉社、2011年)、『聖樹と古代大和の王宮』(中央公論新社、2009年)、『聖なる水の祀りと古代王権・天白磐座遺跡』(新泉社、2006年)、『新古代学の視点─「かたち」から考える日本の「こころ」』(小学館、2006年)、『古墳の思想─象徴のアルケオロジー─』(白水社、2002年)、『風土記の考古学─古代人の自然観─』(白水社、1999年)、『地域王権の古代学』(白水社、1994年)、『埴輪と絵画の古代学』(白水社、1992年)、『高殿の古代学─豪族の居館と王権祭儀─』(白水社、1990年)ほか。