サヌカイトに魅せられた旧石器人 二上山北麓遺跡群

万葉集にも謳われた古代の名勝、二上山の麓には、旧石器時代の石器工房が集積する

シリーズ「遺跡を学ぶ」136

サヌカイトに魅せられた旧石器人 二上山北麓遺跡群

  • 佐藤 良二/著
  • 96頁
  • 1600円+税
  • ISBN 978-4-7877-1936-2
  • 2019.08.15発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

奈良・大阪の府県境にある二上山。麓にはサヌカイトという極上の原石を背景に後期旧石器時代の石器工房が集積する。サヌカイトは近畿一円に運ばれ、二上山文化ともいえる瀬戸内技法は「古本州島」を広く席巻した。まさに〝サヌカイトに魅せられた旧石器人〟である。

目次

第1章 二上山発掘調査秘話
1 二上山北麓への注目
2 石器のライフヒストリー研究
第2章 サヌカイトの発見
1 サヌカイトとは
2 サヌカイト研究のはじまり
3 二上山のサヌカイト
第3章 二上山麓の石器工房
1 遺跡の立地
2 石器製作のアトリエ──桜ヶ丘第一地点遺跡
3 旧石器時代の採掘坑──鶴峯荘第一地点遺跡
4 そのほかの大阪層群上の遺跡
5 そのほかの二上層群上の遺跡
第4章 瀬戸内技法の復元
1 瀬戸内技法に特化した遺跡群
2 瀬戸内技法の解明
3 瀬戸内技法の実際
第5章 古本州島への波及
1 瀬戸内技法の誕生
2 自然環境の変動と狩猟の変化
3 瀬戸内技法の拡散
4 石材原産地遺跡群の研究視点

著者紹介

佐藤 良二(サトウ・リョウジ)

1956年、島根県八束郡東出雲町(現・松江市)生まれ。
花園大学文学部史学科卒業。
奈良県立橿原考古学研究所調査課嘱託、奈良県香芝市教育委員会生涯学習課文化財係、香芝市二上山博物館学芸員を経て、香芝市を2016年3月定年退職。現在、同人会旧石器文化談話会事務局長。
おもな編著は『鶴峯荘第1地点遺跡─二上山北麓におけるサヌカイト採掘址の調査─』香芝市教育委員会(2004)、『平地山遺跡・サカイ遺跡─二上山麓におけるサヌカイト原産地遺跡─』香芝市教育委員会(2007)、「二上山麓の瀬戸内技法─瀬戸内技法研究と鶴峯荘第1地点遺跡─」『橿原考古学研究所紀要 考古學論攷』第9集(2005)、「近畿における原産地遺跡研究の現状─二上山北麓遺跡群について─」『旧石器考古学』67(2005)、「旧石器時代の道具と技術」『よくわかる考古学』ミネルヴァ書房(2010)。分担執筆は『旧石器考古学辞典〈三訂版〉』学生社(2007)、『講座日本の考古学1─旧石器時代(上)─』青木書店(2010)。

関連書籍

  • 黒耀石の原産地を探る 鷹山遺跡群〔改訂版〕FTP
  • ビジュアル版 旧石器時代ガイドブック