大湯環状列石、伊勢堂岱遺跡、小牧野遺跡、忍路環状列石…… 北の縄文人は、なぜ巨大なストーンサークルを生み出したのか。
環状列石ってなんだ
御所野遺跡と北海道・北東北の縄文遺跡群
- A5判変型
- 172頁
- 1800円+税
- ISBN 978-4-7877-1819-8
- 2019.03.30発行
- [ 在庫あり ]
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書評・紹介
紹介文
世界遺産の推薦候補となった「北海道・北東北の縄文遺跡群」の特色のひとつが、大湯や忍路の巨大な環状列石。小杉康(北海道大学教授)、小林克(元秋田県埋蔵文化財センター所長)、大島直行(札幌医科大学客員教授)、八木光則(岩手大学平泉文化研究センター客員教授)、高田和徳(御所野博物館長)ら考古学者が、最新の研究成果を紹介する初の環状列石ガイドブック。
目次
御所野遺跡から環状列石を読み解く (高田和徳)
北の環状列石
御所野遺跡と配石遺構群
配石遺構群周辺の調査
御所野遺跡の時期
大木式土器文化の北上
土地造成と環状集落の形成
御所野からの分散
配石遺構群の出現
配石遺構群から環状列石へ
大規模な環状列石の分布
環状列石と掘立柱建物跡
世界遺産としての縄文文化 (小杉 康)
北海道・北東北の縄文遺跡群と世界遺産暫定リスト
「縄文」イメージ
環状列石(ストーンサークル)と盛土遺構
周堤墓
大規模記念物
縄文文化の定義・再考
縄文のアポリア
環状列石を考える:墓地型と斎場型
環状列石の新しい分布論
周堤墓を考える:モアイと周堤墓
人類史と人類文化の多様性
世界遺産と縄文文化
埋めない墓:環状列石と墓 (小林 克)
環状列石への新たな接近
葬法を見直す
蔵骨器としての土器
縄文時代後期の東北北部、環状列石の構造
北方少数民族の葬制と「骨掛け」儀礼
「弔」と墓上の弓掛け儀礼
墓地としての環状列石の伝統性
縄文人と神話的世界観 (大島直行)
縄文人のものの考え方、現代人のものの考え方
考古学の形式論・編年論と縄文人
祖先崇拝や家族の再考
「心の理論」と「適応的錯覚」
神話的世界観
縄文人の神話的思考が見える事例
「再生」「誕生」のレトリック
人間に根源的な「神話的思考」
縄文時代にさかのぼるアイヌ語系地名 (八木光則)
アイヌ語系地名の研究方法
「ナィ」「ペッ」の広がりを調べる
地名と考古学の接点
北海道・北東北の環状列石とアイヌ語系地名
出版社からのコメント
カラー口絵でおもな環状列石を紹介しています