日本人のイデオロギー認識が変わった!
イデオロギーと日本政治
世代で異なる「保守」と「革新」
- A5判
- 278頁
- 2800円+税
- ISBN 978-4-7877-1903-4
- 2019.02.21発行
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書評・紹介
紹介文
維新は「革新」、共産は「保守」。
これは、日本の若年層が抱く各政党のイデオロギー認識である。つまり、彼らにとって「革新」とは、改革を意味しており、決して「左」と同意義の言葉ではない。
さらに、若年層では「保守」「革新」のイデオロギー対立軸も共有されておらず、日本人が政治を語る上での共通認識語であった「イデオロギー・ラベル」が通用しないという状態が起こっている。
日本人のイデオロギー認識はいつから変わったのだろうか?
著者である遠藤とジョウは、30年にわたる世論調査の結果を分析し、日本人のイデオロギー認識がどのように変化していったのかを検証した。
日本人の考えるイデオロギーの意味について、考えるきっかけになる。
当該論文発表時から、歴史社会学者の小熊英二氏や政治学者の中島岳志氏らが注目し、朝日新聞、中央公論など、各誌で紹介された研究がついに書籍化した。
55年体制の終焉とともに大変革期に入った日本政治を、イデオロギーと世代間ギャップから検証した話題作。
目次
序章 はじめに
1節 流動化する日本政治
2節 政党対立とイデオロギー
3節 本書の構成
第1章 有権者におけるイデオロギーの変化
1節 はじめに
2節 イデオロギーと政策次元
3節 データ
4節 実証分析
5節 結論
補遺1・1 政策争点態度に関する質問項目一覧
第2章 世代で捻れるイデオロギー対立
1節 はじめに
2節 世代効果と加齢効果
3節 日本のイデオロギー
4節 仮説とデータ
5節 実証分析
6節 結論
第3章 イデオロギーと投票行動
1節 はじめに
2節 イデオロギーと投票選択
3節 日本におけるイデオロギーと投票選択
4節 仮説とデータ
5節 イデオロギー自己位置と投票選択
6節 有権者―政党のイデオロギー近接性と投票選択
7節 結論
第4章 イデオロギーと政治参加
1節 はじめに
2節 誰が参加するか
3節 日本における政治参加
4節 データと変数
5節 実証分析
6節 結論
第5章 イデオロギー・ラベルの比較
1節 はじめに
2節 イデオロギー・ラベルの実験的検証
3節 どのイデオロギー・ラベルが望ましいか
4節 政策争点態度とイデオロギー自己位置
5節 政策争点とイデオロギー・ラベルの関係の世代間差異
6節 結論
補遺5・1 政策争点態度と価値観に関する質問項目一覧
第6章 改革志向と保守・リベラルから見る政党対立
1節 はじめに
2節 日本政治における改革志向
3節 改革志向と保守・リベラルから見た政党対立認識
4節 政治アクターへの評価との相関
5節 政策争点態度との相関
6節 結論
補遺6・1 政策争点態度に関する質問項目一覧
第7章 日本における極右支持
1節 はじめに
2節 日本における極右政党
3節 誰が極右を支持するか
4節 2014年東京都知事選挙における極右候補者の出現
5節 実証分析
6節 まとめ
7節 結論
補遺7・1 政治的態度と価値観に関する質問項目一覧
第8章 若者の保守化?
1節 はじめに
2節 右派比較
3節 左派比較
4節 若者の政党選択とイデオロギーの国際比較
5節 安倍政権下の若者
6節 結論
第9章 おわりに――比較の中の日本のイデオロギー
1節 政治的変動のコンテクスト
2節 日伊比較
3節 日本とイタリアの差はどう説明されるか
4節 結語
あとがき
注
参考文献
出版社からのコメント
研究論文発表時から、歴史社会学者の小熊英二氏や政治学者の中島岳志氏らが注目し、朝日新聞、中央公論など、各誌で紹介された研究がついに書籍化します。
55年体制の終焉とともに大変革期に入った日本政治を、イデオロギーと世代間ギャップから検証した話題作です。