宮本常一と土佐源氏の真実
- 四六判上製
- 352頁
- 2500円+税
- ISBN 978-4-7877-6331-0
- 2016発行
- [ 在庫あり ]
- 梟社/発行
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紹介文
民俗学者宮本常一の、土佐に生きた博労の男の生と性の遍歴を描いた名品『土佐源氏』には、隠された原作が存在していた。秘密の地下出版物として、著者不詳のまま世に出た『土佐乞食のいろざんげ』である。
土俗の性文学の傑作ともいうべきこの原作と、学的な装いをととのえて我々の前にある民俗誌の名作『土佐源氏』の間には、宮本の“文学への夢〟と民俗にかかわる、どのような心の真実と闇が秘められていたのであろうか。『土佐乞食のいろざんげ』原作も完全復元、収録する。
目次
まえがき――本書の淵源
第一章『土佐源氏』の成立
はじめに
一『土佐源氏』の位置
二『土佐源氏』成立の経緯
三『土佐乞食のいろざんげ』の出所と本文の比較
四 原作『土佐源氏』(『土佐乞食のいろざんげ』)の意味
第二章『土佐源氏』の欠落
はじめに
一 山人の血
二 野性と異常
三「悪等(悪党)ノ道」
おわりに
第三章 『土佐源氏』の実像
はじめに
一 再考『土佐源氏』は「文学」であること
二『土佐源氏』における体験と研究の反映、重なり
三「文学」(『土佐源氏』)へと向かう素地の形成
四 原作『土佐源氏』の執筆
おわりに
資料編1 『土佐乞食のいろざんげ』
資料編2 下元サカエ媼 聞書