自立社会への道
収奪の五〇〇年を超えて
- 四六判上製
- 328頁
- 2500円+税
- ISBN 978-4-7877-1116-8
- 2012発行
- [ 在庫あり ]
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紹介文
〈近代の超克〉に向けて。
「構造的な収奪の時代」にあっては、経済成長を続けるために無用な産業を創り出し、どこまでも収奪を続けなければならない。
工業社会の豊かさに疑問をもち、自給自足の暮らしを求めて百姓となった哲学者が、収奪された人々の視点から500年の近代史を問い直し、自立社会への転換を説く。
目次
はじめに 歴史への関心
序章 百姓暮らしで学んだこと
不人気な正義/前近代の豊かさ
第一章 近代とは何か
歴史の素描/近代の三区分――「直接的な収奪の時代」「強制的な収奪の時代」「構
造的な収奪の時代」/工業社会の豊かさについて原理的に考える
第二章 直接的な収奪の時代
侵略者たち/裏切りの文明――アメリカ合衆国/アフリカの破壊
第三章 強制的な収奪の時代
産業革命はいかにして起こったか/工業機械は富と労働を収奪する武器である/天国の金蔵――インド/ナイフでケーキを切るように――アフリカ/西へ、西へ――フィリピン/世界侵略の完成
第四章 構造的な収奪の時代
ラテンアメリカの「独立」/アフリカはなぜ飢えるのか/工業国の意のままに――フィリピン
第五章 日本の近代
武力征服はかなわねば――ポルトガル、スペインとの出会い/侵略者になるか植民地になるか――帝国主義列強との出会い/「大東亜戦争」とは何か/誇れない繁栄
第六章 産業的征服と道徳的征服――三冊の本から
『私の名はリゴベルタ・メンチュウ』/『逝きし世の面影』/『ラダック 懐かしい未来』
終章 近代の超克
収奪経済の弊害/収奪経済から自立経済へ
補論 なぜ原発をやめられないのか
背負いきれない重荷/収奪経済が原発を必要とする/原発と宇宙開発の裏にあるもの/知識の闇