柳田国男と学校教育

柳田国男と学校教育

教科書をめぐる諸問題

  • 杉本 仁/著
  • A5判上製
  • 448頁
  • 3500円+税
  • ISBN 978-4-7877-6325-9
  • 2011発行
  • [ 在庫あり ]
  • 梟社/発行
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紹介文

「自らの疑問を育てよ!」眼前の「生活疑問」から問いを立ち上げ、“いま/ここ”を起点に広がる「事実」の重みを摂り込みながら、常民の「自己省察」の学としての「野の学」=民俗学の構築に腐心した柳田国男は、日本人の特性は何かと問われて「雷同付和」「事大主義」だと喝破する。本書では、戦後、その克服を「社会科教育」「国語教育」に求めた柳田教育学の、挫折のプロセスを丹念に跡付けた。柳田教科書をつぶさに検証し、柳田の思想と学問を通して、現代の学校教育に鋭く問題提起をする。

著者紹介

杉本 仁(スギモト・ジン)

1947年山梨県に生まれる。青山学院大学を経て、同大学院修士課程修了。柳田国男研究会会員。東京都立高校教諭を定年退職後、都留文科大学、山梨学院大学、山梨県立大学、および山梨県立ひばりが丘高校などで非常勤講師を勤める。
共著に『柳田国男伝』のほか、著書に『選挙の民俗誌』(野口賞)、『柳田国男と学校教育』、『民俗選挙のゆくえ——津軽選挙 vs 甲州選挙』(日本臨床政治学会賞)など、代表的論考に「寄合民主主義に疑義あり——宮本常一「対馬にて」をめぐって」(『柳田国男・民俗の記述』)、「宮本民俗学の陰画としての上野英信」(『季刊東北学』4号)、「後藤総一郎論」(『地域に根ざす民衆文化の創造』)、「宮本常一と谷川健一、および網野善彦(1)〜(11)」『甲斐』147号〜159号)などがある。