差別と抵抗の現象学
在日朝鮮人の〈経験〉を基点に
- A5判上製
- 280頁
- 3200円+税
- ISBN 978-4-7877-0600-3
- 2006発行
- [ 在庫あり ]
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紹介文
受苦者の「黙して語らない経験」に深く沈潜し、差別されるとはいかなる経験か、差別に人が誘惑される人間的条件は何か、そして差別されるという経験から抵抗の意志が生まれるとしたらどのようにしてかを追究し、差別問題への社会哲学的/人間学的な新地平を切り拓く。
目次
序章 差別の哲学的人間的な問い
第1部 被差別体験の生成──差別されるとはいかなる経験か
第1章 被差別体験の生成
第2章 被差別体験と「解放の指針」
第3章 被差別体験の意味──『変身』から
第2部 差別行為の生成──そもそもなぜ差別をするのか
第4章 他者と社会の超越と差別行為
第5章 差別行為と世界のリアリティ
第6章 よそ者になることへの「不安」
第3部 責任としての抵抗──差別に立ち向かうとはどういうことか
第7章 差別の〈今、ここ〉──「北朝鮮」と在日朝鮮人
第8章 責任としての〈抵抗〉──〈対決〉へ促す「声」
第9章 〈ハン(恨)〉と共に――李良枝の小説から
終章 差別と抵抗の〈ひそやかな関係〉──「救済」としての抵抗
補章1 回帰する過去と回帰しない過去──在日が在日に向かって語るとき
補章2 事実的異邦人から倫理的異邦人へ──未来の住人としての在日朝鮮人
補章3 日本と他者と公共性──痛む者に向き合う実践