マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる

マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる

  • 竹峰 誠一郎/著
  • 四六判上製
  • 456頁
  • 2600円+税
  • ISBN 978-4-7877-1411-4
  • 2015.03.10発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

  • 大林宣彦氏評(「週刊現代」2015年10月31日号)
  • 永田浩三氏評(「北海道新聞」2015年4月12日)
  • 「毎日新聞」2015年6月17日
  • 「日本経済新聞」2015年4月15日夕刊「中国新聞」2015年4月11日、「長崎新聞」2015年4月12日、ほか各紙(共同通信配信)
  • 高橋博子氏評(「中国新聞」2015年6月28日)
  • 安田和也氏評(「琉球新報」2015年9月6日)
  • 竹内修司氏評(「週刊読書人」2015年4月24日号)
  • 明珍美紀氏評(「Journalism」2016年9月号)
  • 斉藤大起氏評(「神奈川新聞」2015年8月30日)市田真理氏評(「赤旗」2015年5月17日)木村倫幸氏評(季報「唯物論研究」132号、2015年8月)加藤一夫氏評(「図書新聞」2015年7月18日、読書アンケート)「部落解放」2015年8月号「福竜丸だより」388号、2015年7月1日ほか各紙誌
  • 「毎日新聞」2016年10月31日夕刊

紹介文

《「第五福竜丸」の後ろ側で被曝を生き抜いてきた人びと》

避難・除染・再居住の問題、
暮らし・文化・心への影響、健康被害、人体実験疑惑……

被曝地の未来をどう拓いていくのか――。

ビキニ環礁、エニウェトク環礁。
かつて30年にわたり日本領であったマーシャル諸島では、
日本の敗戦直後から米国の核実験が67回もくり返された。
長年の聞き書き調査で得られた現地の多様な声と、
機密解除された米公文書をていねいに読み解き、
不可視化された核被害の実態と人びとの歩みを追う。


日本は敗戦後、米国の核の傘のもとで安全保障体制を築き、戦後復興から急速な経済発展を遂げ、「平和」を謳歌してきました。その時、かつて自国領として「南洋群島」と呼んでいた太平洋の島々とその土地の人びとのことは、視野の外にありました。
米国の核を抱きしめた日本と、米国の核開発の母胎となったマーシャル諸島の関係性は問われることなく、「被爆国」日本の戦後の「平和」は語られてきました。「第五福竜丸事件」は認識されることがあっても、第五福竜丸の後ろ側にいる現地住民への想像力は乏しかったと言わざるをえません。
六七回におよぶ米国の核実験にともない、マーシャル諸島は住民とともに大地が被曝し、地域社会、文化、生活、心、そして身体に、被曝は忍び寄っていきました。しかし、「被爆国」日本において、被曝がもたらしたこれらの現実は十分に探究されないまま、見過ごされてきたのではないでしょうか。 ――――著者

目次

はじめに――視野の外に置かれた「視えない」核被害

序章 「核の遊び場」とされた太平洋諸島はいま
一 グローバルヒバクシャの射程
二 マーシャル諸島の概要
三 マーシャル諸島の米核実験
四 核実験被害の探究
五 実態調査の方法――聞き書きと米公文書調査
六 本書の構成

第一章 終わりなき核被害
一 「美しい景色」
二 「核の難民」として生きる
三 「NO PLACE LIKE HOME」
四 「我らの文化を奪った爆弾」
五 「放射能の島」
六 「新しい病気」の発生
七 被曝を背負って生きる
八 「すべてが破壊された」

第二章 核被害〈非認定〉の地域――「視野の外」に置かれたアイルックの人びと
一 「わたしも被曝した」
二 「あの時」の証言
三 被曝を把握した米当局と視えなかった住民
四 住民が目にした「異常」現象
五 補償をめぐる攻防
六 核被害の広がりを認識していた米当局
七 求められる核実験被害像の見直し

第三章 核実験場に選ばれた土地――「核の難民」となったビキニとエニウェトクの人びと
一 「なぜ、アメリカ人はここに来て実験をするのか」
二 核実験への道
三 ビキニで実施された第二次大戦後初の核実験
四 エニウェトク、太平洋の核実験本部へ
五 流浪するビキニの人びと
六 不可視化された「国家の犠牲区域」

第四章 核実験反対の声と米政府の対応――核実験をめぐるもう一つの攻防
一 原水爆禁止を求める声
二 ビキニ水爆実験「ブラボー」
三 放射能を可視化した第五福竜丸
四 全地球規模の被曝
五 マーシャル諸島発の「もう一つの原水爆禁止運動」
六 繰り返された核実験
七 核実験終了後のエニウェトク
八 核実験終了後のビキニ
九 核開発競争への抵抗がもつ力

第五章 被曝を生き抜く――追跡調査の対象とされたロンゲラップとウトリックの人びと
一 「人生を永久に変えた」
二 水爆実験ブラボーの体験
三 米軍基地への収容
四 米政府に独占された医学調査
五 米政府に拒まれた原水禁現地調査
六 自ら安全を求める行動
七 現実感なき帰島再居住計画
八 「サバイバーズ」として生きる

終章 「視えない」核被害――実態にどう迫るのか
一 可視化装置としての「グローバルヒバクシャ」
二 視えない核被害
三 マクロの観点からのアプローチ
四 ミクロの観点からのアプローチ
五 3.11原発震災に引き寄せて
六 本書の意義と課題――被曝地の未来をどう拓いていくのか

著者紹介

竹峰 誠一郎(タケミネ・セイイチロウ)

1977年、兵庫県生まれ。2012年、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程修了。
博士(学術)。
現在、明星大学人文学部人間社会学科教員。
和光大学4年生の1998年からマーシャル諸島に通い続け、現場にこだわった核被害の研究を進める。
2004年、グローバルヒバクシャ研究会を創設し、共同代表の一人。
「原爆の図」丸木美術館評議員、第五福竜丸平和協会専門委員などを務める。
主著:『マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きる』(新泉社、2015年)、『核時代のマーシャル諸島――社会・文化・歴史、そしてヒバクシャ』(共著、凱風社、2013年)、『隠されたヒバクシャ――検証=裁きなきビキニ水爆被災』(共著、凱風社、2005年)など

関連書籍

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