地域再生と考古学

古代出雲・石見の遺跡と古代史がよくわかる。

地域再生と考古学

開眼する古代出雲と個性豊かな石見の遺跡

  • 田中 義昭/著
  • 四六判上製
  • 440頁
  • 3800円+税
  • ISBN 978-4-7877-2307-9
  • 2023.06.15発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

四十をすぎてから大学教員として故郷・島根に戻った一考古学研究者が、学生や県市町村の文化財担当者らとともに、開発に抗して遺跡保護に邁進し、発掘調査から地域の力を見出していく。荒神谷・加茂岩倉の発見や出雲平野の遺跡から古代出雲が、江の川や高津川の本支流に点在する遺跡からかつての石見地方の隆盛がまざまざと甦える。

目次

第1章 山陰の考古学陣営に加わる
1 島根大学の考古学研究室
2 地域考古学の歩み
3 開発と遺跡破壊の進行
4 大学と市町村をつなぐ

第2章 古代出雲に向き合う
1 弥生墳丘墓の共同研究
2 荒神谷遺跡の発見
3 出雲平野に狙いを定めて
4 古代金属生産の探究へ

第3章 開眼する古代出雲
1 『出雲国風土記』の世界
2 古曽志古墳、小丸山古墳の破壊
3 国府都市とその周辺
4 浮かび出る古代の郡・郷

第4章 石見の遺跡と地域史探訪
1 護るぞ!三宅御土居跡
2 益田潟と背後地域
3 「中国太郎」とその流域
4 石見国府出現とその前後史

第5章 地域の明日を見つめる
1 歴史博物館と世界遺産
2 中国を旅する
3 たどりついた「駅商国家」論
4 田和山遺跡の保存に寄せて

跋 「おたがいさま」と共同・協働

出版社からのコメント

島根県の全域、東の出雲国府域から西の益田・浜田まで、数多くの遺跡の保護活動と発掘調査の貴重な記録です。

著者紹介

田中 義昭(タナカ・ヨシアキ)

一九三五年、島根県益田市に生まれる。早稲田大学第一文学部卒業。博士(文学)。
武蔵工業大学付属中学校・高等学校教諭、島根大学法文学部助教授を経て、一九八三年より同教授。一九九九年、退職。元島根県文化財保護審議会委員。
主な著作 『大地に埋もれた歴史─日本の原始・古代社会と民衆』(共著、新日本出版社、一九七四年)、「弥生時代以降の食料生産」『岩波講座 日本考古学3 生産と流通』(岩波書店、一九八六年)、『古代出雲文化の展開に関する総合的研究』(編著、島根大学、一九八九年)、『古代金属生産の地域的特性に関する研究』(編著、島根大学、一九九二年)、『山陰地方における弥生墳丘墓の研究』(編著、島根大学、一九九二年)、『日本の古代遺跡を掘る3 荒神谷遺跡』(共著、読売新聞社、一九九五年)、『シリーズ「遺跡を学ぶ」053 古代出雲の原像をさぐる 加茂岩倉遺跡』(新泉社、二〇〇九年)、『弥生時代集落址の研究』(新泉社、二〇一一年)、『開発と考古学』(新泉社、二〇一九年)、『地域再生と考古学』(新泉社、二〇二三年)

関連書籍

  • 開発と考古学
  • 弥生時代集落址の研究FTP
  • 古代出雲の原像をさぐる・加茂岩倉遺跡