赤漆の完形縄文土器が出土した列島で唯一の遺跡
シリーズ「遺跡を学ぶ」133
縄文漆工芸のアトリエ 押出遺跡
- A5判
- 96頁
- 1600円+税
- ISBN 978-4-7877-1933-1
- 2019.02.10発行
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書評・紹介
紹介文
赤い漆を塗ったうえに黒漆でしっかりと渦巻が描かれた彩漆土器。こうしたみごとな彩漆土器の完形品が八点も出土した押出遺跡とは、縄文時代、どんな場所だったのか。山形県南部、米沢盆地の北東部に位置する低湿地「大谷地(おおやち)」の一角から、新たな縄文集落像を追究する。
目次
第1章 低湿地の縄文遺跡
1 大谷地と白竜湖
2 押出遺跡とは
3 大発見の数々
第2章 盛土の謎
1 平地住居の集落?
2 平地住居への疑問
3 住居はあったのか
4 盛土はなんだったのか
第3章 彩漆土器の世界
1 彩漆土器とは何か?
2 あらたな発見
3 さまざまな漆製品
4 漆職人が行きかう里
第4章 作業場の光景
1 土器による煮炊きと縄文クッキー
2 さまざまな石器
3 木製品からみえてくるもの
4 編布と縄
第5章 押出集落の全体像
1 自然環境の復元
2 住居はどこに
3 押出集落の全体像
参考文献
出版社からのコメント
押出遺跡のある大谷地は、今でも歩くと地面がフワフワする湿地です。縄文人はここにたくさん杭を打って作業場にしました。その遺構は、幕末のお台場の基礎工事や明治初期の新橋停車場の蒸気機関車の転車台の遺構を連想します。人間の営為のつながりを感じます。