お知らせ

訂正・お詫び2024.04.18

『つながるアイヌ考古学』について

このたび、弊社より発行した以下の書籍について、未申請の写真使用がありました。所蔵機関である北海道埋蔵文化財センター様、ならびに関係者の皆様に深くお詫び申し上げますとともに、以後このようなことがないよう細心の注意を払い、今後の編集発行業務にあたってまいります。

 

書籍名:『つながるアイヌ考古学』

著者:関根達人

発行日:2023年12月15日

ISBN:978-4-7877-2316-1

該当箇所:127ページ図63の右側3枚の写真(福山城下町遺跡旧唐津内町東端部から出土した板綴じ舟(イタオマチプ)の舟底板、アワビの上に漆椀を伏せた送り儀礼(左・右))

写真所蔵機関:北海道埋蔵文化財センター

 

これに伴い、当該写真を削除し、写真・図版について言及された本文も以下の通り修正し、第2版を発行いたします。

 

【原文(128ページ、6〜12行目)】

近年、松前では城下町から中柄・骨鏃などの骨角製狩猟具やシロシが刻まれた漆椀など、一七世紀ごろのアイヌの考古学的痕跡がみつかりはじめた[図63]。二〇二二年には、城下を東西に貫くメインストリート海側の近世初期の地層から板綴じ舟の舟底板が発見された。和人とアイヌの両者とも板綴じ舟を使用していたが、発見された舟底板の上にはアワビの貝殻の上に漆椀が伏せた状態で置かれており、舟の送り儀礼の痕跡がみられた。つまりこの舟は、近世初期に交易のため松前にやってきたアイヌが乗ってきたイタオマチプであり、何らかの理由で破損したために、この地に残されたのであろう。

 

【修正文】

近年、松前では城下町から中柄・骨鏃などの骨角製狩猟具やシロシが刻まれた漆椀など、一七世紀ごろのアイヌの考古学的痕跡が見つかりはじめた[図63]。二〇二二年には、城下を東西に貫くメインストリート海側の近世初期の地層から板綴じ舟の舟底板が発見された。発見された舟底板の上にはアワビの貝殻の上に漆椀が伏せた状態で置かれていた(北海道埋蔵文化財センター二〇二三『調査年報三五(令和四年度)』)。舟はアイヌが松前城下に交易に来ていた近世初期までさかのぼり、イクパスイや骨角製の中柄といったアイヌ特有の遺物も発見されている。和人とアイヌの両者とも板綴じ舟を使用しているが、この舟は近世初期に交易のため松前にやってきたアイヌが乗ってきたイタオマチプであり、何らかの理由で破損したために、アワビと漆椀を用いて舟の送り儀礼が行われたのではないだろうか。

 

 

新泉社編集部