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メディア2024.04.05

『パインと移民』の書評が「週刊ポスト」に掲載されました(与那原恵氏評)

ノンフィクション作家の与那原恵さんによる、『パインと移民——沖縄・石垣島のパイナップルをめぐる「植民地化」と「土着化」のモノグラフ』(廣本由香著)の書評が「週刊ポスト」2024年4月12・19日号(4/5発売)に掲載されました。

◎与那原恵氏評
「石垣島のパイン生産現場をフィールド調査 多元的なルーツを持つ人々の視点で描く苦闘の歴史」
https://www.news-postseven.com/archives/20240405_1952913.html

〈石垣島でのパイン生産は一九三〇年代、台湾から移民してきた人々によって始められ、パイン缶詰製造の礎を築いた。背景には日本統治下にあった台湾における諸問題も横たわる。〉

〈この地区は、さかのぼれば琉球王国時代に開墾を目的に強制移住がなされ、近代になってからは日本各地出身の農業移民がおり、さらには戦後沖縄で米軍基地建設により土地を失った住民らも移住するなど、苦闘の歴史を物語る。〉

〈生産者は〈この土壌が十分に活かせるのが何よりもパイン〉だと、弱みを強みにとらえた。缶詰などの加工用原料の生産を生果生産に切り替え、おいしいパインをめざして栽培技術の向上を図り、販売方法も開拓。誇るべき「地域資源」に育てあげた。/この足跡には、著者が丁寧に聞き取った生産者個々のライフストーリーも大きくかかわる。〉

〈多元的なルーツを持つ人々の多様な視点や、風通しのよさも感じられた。本書は日本の農業の未来にも示唆を与えてくれるだろう。〉

◎書籍情報『パインと移民——沖縄・石垣島のパイナップルをめぐる「植民地化」と「土着化」のモノグラフ』
https://www.shinsensha.com/books/6132/