社会運動とは何か

社会運動とは何か

理論の源流から反グローバリズム運動まで

  • ニック・クロスリー/著
  • 西原 和久/訳
  • 郭 基煥/訳
  • 阿部 純一郎/訳
  • A5判上製
  • 392頁
  • 4200円+税
  • ISBN 978-4-7877-0910-3
  • 2009発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

社会運動はどうして起こるのか、それは社会に何をもたらすのか
社会学におけるこれまでの社会運動論を批判的に吟味し、反企業闘争、反グローバリズム運動にも論及して、新たな社会運動論を提示する。

■環境保護運動・反貧困運動、反グローバリズム運動…… いま、世界には社会運動が溢れている。それはなぜなのか、どういう特徴があるのか。既存の研究理論を整理・検討しながら今日的な分析視角を定め、新たな社会運動像を提出する。最新論文「グローバルな反企業闘争」も収録。

目次

第一章 序  論
[1]社会運動とは何か
[2]社会運動はどうして社会学的に重要なのか
[3]社会運動の「社会学」は何を扱うのか
[4]社会科学者は社会運動をどのように説明し理解しているのか
[5]本書の議論と計画 

第二章 社会的不安、運動文化、アイデンティティ──シンボリック相互作用論者
[1]ミードとシンボリック相互作用論
[2]ブルーマー、社会的不安、原初的行動
[3]社会運動
[4]ブルーマーの評価
 要約と結論/推奨文献

第三章 スメルサーの価値付加アプローチ
[1]運動とシステム
[2]運動、ストレーン、価値付加モデル
[3]スメルサーの評価
 要約と結論/推奨文献

第四章 合理的選択理論/合理的行為者理論
[1]合理的行為者理論──基本的なアウトライン
[2]集合行為
[3]合理的行為者理論の評価
[4]肯定的な評価について
 要約と結論/推奨文献

第五章 資源動員論、ネットワーク論、組織
[1]基本的立場
[2]範囲の画定──社会運動組織、社会運動業界、社会運動セクター
[3]ネットワーク論
[4]資源、ネットワーク、価値付加モデル
 要約と結論/推奨文献

第六章 機会、認知、生活史──政治過程論
[1]抗議と機会
[2]機会と制限
[3]認知的解放と社会統制
[4]フリーダム・サマー
[5]政治過程モデルの評価
 要約と結論/推奨文献

第七章 争議レパートリー、フレーム、争議サイクル
[1]争議レパートリー
[2]レパートリーの評価
[3]争議のフレーミング
[4]フレーミングの評価
[5]争議サイクル
[6]サイクルの評価
 要約と結論/推奨文献

第八章 新しい社会運動
[1]何が新しいのか? 
[2]ハーバーマス
[3]新しい社会運動
[4]ハーバーマス批判
 要約と結論/推奨文献

第九章 社会運動と実践の理論──新たな統合
[1]行為主体と構造をめぐる諸問題
[2]ブルデューの実践の理論
[3]ハビトゥスと社会運動
[4]運動の危機理論?
[5]価値付加モデル再考
 要約と結論/推奨文献

付 章  グローバルな反企業闘争──ひとつの予備的分析

訳者あとがき
参考文献
索引

著者紹介

ニック・クロスリー(Nick Crossley)

1968年、イギリス生まれ。シェフィールド大学(イギリス)で博士号取得。現在、マンチェスター大学社会学部教授。

西原 和久(ニシハラ・カズヒサ)

成城大学社会イノベーション学部教授、名古屋大学名誉教授。マンチェスター大学、南京大学、インスブルック大学、ハワイ大学、北京外国語大学などで客員研究員、客員教授を歴任。専門は、社会学理論、移民・移動者研究、国際社会学。本書と関連する主著と訳書は以下の通り。
関連主著:『社会学的思考を読む』(人間の科学社、1994年)/『意味の社会学』(弘文堂、1998年)/『自己と社会』(新泉社、2003年)/『間主観性の社会学理論──国家を超える社会の可能性[1]』(新泉社、2010年)/『トランスナショナリズムと社会のイノベーション』(東信堂、2016年)関連訳書:『間主観性と公共性』(N. クロスリー著、新泉社、2003年)/『社会学キーコンセプト─「批判的社会理論」の基礎概念57』(N. クロスリー著、新泉社、2008年、監訳)/『社会運動とは何か─理論の源流から反グローバリズムまで』(N. クロスリー著、新泉社、2009年、共訳)/『国際社会学の射程』(U. ベックほか著、東信堂、2016年、共編訳)など。

郭 基煥(カク・キカン)

1967年、愛知県一宮市に生まれる。名古屋大学大学院国際開発研究科(国際コミュニケーション専攻)博士後期課程満了。
東北学院大学経済学部共生社会経済学科教授
専攻 差別論、現象学的社会学、国際コミュニケーション論。

阿部 純一郎(アベ・ジュンイチロウ)

名古屋大学大学院環境学研究科社会環境学専攻社会学講座博士後期課程