弥生の交易とものづくり 青谷上寺地遺跡
近刊

「地下の弥生博物館」といわれるほど大量の遺物が出土した有名な遺跡が、ついに登場です。

シリーズ「遺跡を学ぶ」173

弥生の交易とものづくり 青谷上寺地遺跡

  • 湯村 功/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1700円+税
  • ISBN 978-4-7877-2533-2
  • 2025.09.05発行
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紹介文

日本海をのぞむ鳥取市東部・青谷の低地から、大量の人骨や砂防柵、精巧な木器などが出土した。なかでも木製の花弁高杯は、弥生時代の工芸のひとつの到達点だ。魏志倭人伝が「倭国乱」と記した時代にあって、唯一無二のものづくりで栄えた交易拠点集落の姿をさぐる。

目次

第1章 弥生人骨と脳の発見
1 弥生人の脳が残っていた!
2 散乱して出土した人骨
3 殺傷痕や病変のある人骨
4 埋められた人骨の謎

第2章 青谷上寺地遺跡の発掘と集落像
1 遺跡の立地
2 発掘調査の歴史
3 中心域と遺跡の変遷

第3章 地下の弥生博物館
1 相次いだ新発見
2 多種多量、保存状態のよい出土遺物
3 集落構造をさぐる

第4章 交易拠点としての港湾集落
1 もうひとつのキャッチフレーズ
2 どこと交易をしていたのか
3 交易拠点ならではの祭祀
4 集落の終焉と青谷上寺地遺跡の意義

第5章 青谷上寺地遺跡のこれから

著者紹介

湯村 功(ユムラ・イサオ)

1965年、島根県出雲市生まれ。
立命館大学二部文学部卒業。出雲市教育委員会を経て、鳥取県に採用となり、現在、鳥取県立青谷かみじち史跡公園に勤務。青谷上寺地遺跡の第一次調査を担当し、その後も遺跡の活用、出土品の調査研究に従事。
主要著作 編著『青谷上寺地遺跡4』(財団法人鳥取県教育文化財団、2002)、編著『新鳥取県史資料編 考古1 旧石器・縄文・弥生時代』(鳥取県、2017)など。

関連書籍

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