なんで信長はお城を建てたの?

知れば知るほど知りたくなる「お城」の魅力にハマりましょう!

13歳からの考古学

なんで信長はお城を建てたの?

「お城」のはじまりを探す旅

  • 畑中 英二/著
  • 四六判
  • 300頁
  • 2000円+税
  • ISBN 978-4-7877-2124-2
  • 2022.05.09発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

部活に入るでもなく、なんとなく中学生活を送る中学1年生のホタカ。お父さんに勧められて、夏休みに一人でお城を巡る小旅行をし始めます。初めは気乗りがしなかったお城巡りも、お城に詳しい“先達”に案内されるうちに、自分なりの楽しみ方を持ち始めるホタカ。そして安土城の発掘体験を経て、どんどんお城の沼にハマっていきます。お城の魅力にハマる大人たちに出会うたび、ホタカのお城を見る目が変わっていきますが、お城について知れば知るほど、なんで織田信長は安土城を建てたのかという疑問が湧いてきました。近世城郭のはじまりと言われる安土城、世界遺産の姫路城、謎がいっぱいの甲賀の小城……など、「お城」のはじまりを探しにホタカと一緒に旅に出かけましょう。

目次

もくじ

口絵
おもな登場人物
プロローグ

第1章 安土城の巻
安土城に登る
(いざ登城/伝黒金門を抜けて主郭へ/天主台に登る)
安土城ミニ反省会
(気づかなかった摠見寺跡/またまた見損なった笏谷石/先に知りたかった石垣の見方/城を建てる目的は何か)

第2章 姫路城の巻(城郭のギミックに驚く編)
こんなところから姫路城?
(姫路城は世界遺産!/三重の堀で囲まれてた姫路城)
ダンジョン姫路城のギミックに驚く
(登りにくい通称「将軍坂」/「はの門」の先のギミック/天井が低く中で直角に曲がる「にの門」/幻惑させる「水の一門」)
空っぽの天守
(大天守地下へ/天守地下から2階へ/天守3階へ/天守最上階へ)
姫路城のおさらい
(一人でおさらい/お父さんとおさらい)

第3章 甲賀・上野城の巻
甲賀上野城にゆく
(甲賀の城の下調べ/油日駅/草刈り/虎口/切り岸/高い土塁に囲まれた主郭)
城の意味を考える
(甲賀市史を見せられる/油日城、岡崎城、甲賀スタイルを知る/甲賀流忍者調査団/甲賀は無法地帯?)
お城のイベントをお手伝い
(お父さんと振り返り/イベント当日/帰りの車の中で)

第4章 安土城の巻その2(発掘調査編)
安土城の発掘に参加する
(発掘調査前の説明/上から少しずつ掘り下げていく/硬く踏みしめられた土層が出てきた/お昼休みは質問タイム/鮮やかな焼土の層)
果たして礎石は続くのか
(初めての発掘は興奮の連続/8月7日/大学で考古学を学ぶということ/安土城にお宝はないの?/職員さんを質問攻めに/果たして礎石は見つかるのか?)
現地説明会に行く
(8月20日/和田さんが報告/摠見寺旧境内へ)

第5章 安土城の巻その3(お城をもっと理解する編)
信長の館
(復元料理/キラキラの復元天主/VRで見るライトアップされた安土城)
安土城考古博物館
(お城を理解するために/安土城の石垣/天皇行幸をめぐって)
人はなぜお城を建てるの?
(信長の天主/天主で暮らした人/城主の住まい/江戸時代の天守/地域の象徴としての天守)
城下町はなぜできたか?
(地名から城下町を知る/城下町の成り立ちを知る/復元、復興、模擬天守の意味/模擬天守って本当に必要なのか?/お城と考古学/帰りの電車の中で)

エピローグ(6年後)
あとがき
参考文献

出版社からのコメント

大好評の「13歳からの考古学」シリーズ、第3弾は近世城郭のはじまりを探す旅です。
「100名城」巡りがあるほど、日本人はお城が大好きです。でも、そもそもお城には最初から天守があったんでしょうか? 天守って何のためにあるのでしょうか? なんで信長はきらびやかなお城を建てたのでしょうか?
安土城、姫路城、甲賀の小城へ、「お城」のはじまりを探して、主人公ホタカは旅をします。そして、安土城の発掘調査に参加したことで、お城に対する興味はどんどん深まっていきます。
著者の畑中英二さんは、安土城の発掘調査に関わった研究者です。発掘調査のイキイキとした描写には、ご自身の経験が十二分に生かされています。
口絵には、これまで専門書でしか見られなかった安土城発掘調査で見つかった瓦や大手道の発掘中の写真を掲載しました。
にしざかひろみさんの繊細なタッチの挿絵もお楽しみいただけます。
皆さんも、ホタカと一緒にお城の沼にハマりましょう!

著者紹介

畑中 英二(ハタナカ・エイジ)

京都市立芸術大学美術学部総合芸術学科教授。
1967年京都府生まれ。龍谷大学史学部卒業、滋賀県立大学で博士号(人間文化学)を取得。大学卒業後、2016年まで滋賀県教育委員会で、安土城をはじめとした遺跡の調査に携わるとともに、甲賀流忍者調査団など地域に根ざした文化遺産の活用などにも従事する。2017年京都市立大学美術学部総合芸術学科准教授、2019年より現職。考古学と社会やアートとのよりよい関わりを模索している。
単著に『ここまでわかった甲賀忍者』(サンライズ出版、2018年)、共著に『織田信長の城郭』(松下浩編、戎光祥出版、2020年)、論文に「安土城の構造にみる家臣団構成」(『滋賀県立大学考古学研究室論集1 考古学研究室25周年・中井均先生退職記念』2021年)などがある。

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