「弥生時代」の発見・弥生町遺跡

シリーズ「遺跡を学ぶ」50

「弥生時代」の発見・弥生町遺跡

  • 石川 日出志/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1500円+税
  • ISBN 978-4-7877-0840-3
  • 2008発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

明治17年、東京大学理学部学生によって東大隣接地の弥生町で発見された1個の壺が「弥生式土器」と呼ばれ、弥生時代の名称のもとになった。この壺を新たに実見するとともに、弥生実年代の遡及問題などを取り上げ、あらたな弥生時代像を提示する。

目次

第1章 「弥生式土器」の発見
1 明治十七年弥生
2 わからなくなった出土地点
3 発見者たち

第2章 弥生時代研究の幕開け
1 蒔田鎗次郎の活躍
2 弥生式土器という概念の成立
3 弥生式土器には石器が伴う
4 弥生文化の起源をさぐる
5 弥生式土器には金属器も伴う
6 弥生文化観の確立

第3章 迷走する地点論争
1 忘れられた向ヶ岡貝塚
2 弥生式土器の提唱
3 「弥生町」地名保存運動
4 すわっ、再発見か?

第4章 地点から集落へ
1 地点論争への疑問
2 集落としての具体化

第5章 弥生町遺跡の時代
1 弥生式土器から弥生土器へ
2 弥生町の壺をめぐる論争
3 南関東のなかの弥生町遺跡
4 弥生後期後半は社会の変革期
5 弥生町遺跡から学ぶ課題

著者紹介

石川 日出志(イシカワ・ヒデシ)

1954年、新潟県生まれ。明治大学大学院博士後期課程中退。
現在、明治大学文学部教授。
主な著作 『考古資料大観 弥生土器1』(共編)、『図解・日本の人類遺跡』東京大学出版会・『シンポジウム弥生時代の考古学』学生社(ともに分担執筆)、「弥生時代=鉄器時代説はどのようにして生まれたか」『考古学集刊』第4号、「再葬の儀礼」『弥生時代の考古学』同成社、『シリーズ日本古代史1 農耕社会の成立』岩波新書など。