東京下町の前方後円墳 柴又八幡神社古墳

東京下町の深い歴史がわかります

シリーズ「遺跡を学ぶ」143

東京下町の前方後円墳 柴又八幡神社古墳

  • 谷口 榮/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1600円+税
  • ISBN 978-4-7877-2033-7
  • 2020.03.05発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

映画『男はつらいよ』で有名な東京都葛飾区柴又で、まるで「寅さん」のような帽子をかぶった人物埴輪がみつかった。古墳の石室を造る石などない、人など住んでいなかったと思われた東京低地に、なぜ前方後円墳が造営されたのか、なぜ寅さん埴輪が出土するのか、古墳時代の東京下町を見直す。

目次

第1章 寅さんが出土した?
1 「寅さん埴輪」の出土
2 江戸・東京の下町と東京低地
3 東京低地の生活
第2章 柴又八幡神社古墳の発掘
1 柴又の鎮守様
2 古墳の発見
3 社殿改修と調査
4 市民と共同の学術調査
第3章 あらわれた前方後円墳
1 景観の復元
2 墳丘の確定
3 石室の推定
第4章 「寅さん埴輪」と被葬者
1 円筒埴輪と形象埴輪
2 柴又八幡神社所蔵資料
3 祭祀の痕跡
4 被葬者をさぐる
第5章 東京下町の古墳時代
1 下総台地南西部勢力の進出
2 渡来文化の波及
3 ヤマト王権と東京低地
4 地域性・交流・境界性

出版社からのコメント

「東京は一日にして成らず」古墳時代の東京下町(東京低地)の歴史にその後の東京発展の理由が隠されています。

著者紹介

谷口 榮(タニグチ・サカエ)

1961年、東京都葛飾区生まれ、現在も葛飾区在住。
国士館大学文学部史学地理学科卒、博士(歴史学 駒澤大学)。
立正大学・明治大学・國學院大學・和洋女子大学兼任講師、NHK高校講座日本史講師歴任。現在、葛飾区産業観光部観光課主査学芸員、よみうりカルチャー講師、新潮講座講師も努めている。(立石三郎、勝鹿亭立石というペンネームでも執筆活動をしている)
日本考古学協会理事、観光考古学会理事、日本歴史学協会文化保護特別委員、境界協会顧問など。
研究テーマは、東京下町や旧葛飾郡域の環境と人間活動の変遷を通史的に研究、そのほか地形や地理と人間活動の関係性、地域的な飲食文化なども調査研究対象としている。
主な著作として、シリーズ「遺跡を学ぶ」057『東京下町に眠る戦国の城 葛西城』(新泉社)、シリーズ「遺跡を学ぶ」143『東京下町の前方後円墳 柴又八幡神社古墳』(新泉社)、『増補改訂版 江戸東京の下町と考古学―地域考古学のすすめ―』(雄山閣)、『東京下町の開発と景観』古代編・中世編(雄山閣)、編著『吾妻鏡辞典』(東京堂出版)、編著『遺跡が語る東京の歴史』(東京堂出版)など多数。

関連書籍

  • 東京下町に眠る戦国の城・葛西城FTP
  • 東日本最大級の埴輪工房・生出塚埴輪窯FTP
  • 最後の前方後円墳・龍角寺浅間山古墳FTP